無印編
第五話 いざ湯の町。温泉へゴーなのだ。
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、それに皆。」
が、もう既にサヴェレンティは裸になり、もがいているユーノを抱えて浴場に入ろうとしていた。
((遅かった…))
(ゆーのん、君の事は忘れんよ。)
春亮に構っている間にすでに取り返しのつかない所まで行ってしまったが、過去をどうこう言っているばかりではいけない。前に進まなければ…
「サヴェレンティ、そいつは一応“オス”だから男湯の方に行かせるべきじゃないのか。」
フィアが前に出て言った。
「え?でもフェレットなんだし、別にいいと思うよ。ボクも気にしないし。」
(いや、そいつの正体を知ったら絶対気にするぞ。何よりユーノの奴の命が危ない。)
「それよりフィアちゃん。ボクは先に入っているから!」
そう言って、サヴェレンティは浴場に“走って”行く。そこでフィアはこの先に起きるトラブルを予想した。
「おい待て!こんな所で走ったりしたら…」
「うわっ!?」
案の定、サヴェレンティは転んだ。慌ててフィアがその下に回る事で助かったが、ユーノはその隙に逃げる。
「あ!?待ってよユーノ君!」
サヴェレンティはそのまま彼を追おうとするが。白穂と黒絵それにこのはが止めた。
「待ちなさい。そんな格好で外に出るつもりなの。」
「あ!?」
自分が裸だと思い出したサヴェレンティは顔を赤くする。
「大丈夫じゃって、ゆーのんはきっと男湯の方に行ったから。」
「そうそう。ユーノ君の事は春亮君に任せましょう。」
一方、男湯にいる春亮は浴衣を脱いでこれから浴場に入る所である。
「ん?何だあれ。」
その時、別の客が言った。それを聞いた春亮が振り向くと、ユーノがこちらに向かって走って来るのが見えた。そして彼は春亮の前まで来ると、その肩に飛び乗る。
「お、無事に脱出出来たみたいだな。」
春亮は安心しながらユーノに話しかけるが、ユーノはうつむいている。しかも、心なしか顔が赤かった。
「・・・まさか見たのか。サヴェレンティの裸。」
春亮がそう言うと、ユーノは黙って頷く。
「・・・お前、もし正体が白穂にばれたら殺されるぞ。」
その言葉を聞いて、ユーノは青ざめた。白穂は二人きりの旅行を邪魔されてあれだけの殺気を放っていたのだ。もし、自分が実は人間である事がばれたら恋人の裸を勝手に見たという罪状で確実に殺される。刃物を持ってじりじりと迫って来る白穂を想像して、ユーノは震え上がった。
「まあ、心配するな。バレなきゃ大丈夫だ。」
(全然大丈夫じゃありませんよー!!!)
心の中で叫ぶユーノであった。
続く
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