無印編
第五話 いざ湯の町。温泉へゴーなのだ。
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の美少年が居た。その後ろでは白穂が最悪だわといいながら頭を抱えている。
「あ、ここペットOKだからユーノ君も連れて来たんだ。」
少年がケージに入ったユーノを見ながら言った。
『あのフィアさん、この人誰なんですか。前に会った記憶が無いんですけど。』
見覚えの無い少年が自分を知っていた事に疑問に思ったユーノが、念話でフィアに聞いた。
「あ、そう言えばこっちで会うのは初めてだったね。」
すると、“少年が答えた”。
念話を聞かれた事でユーノは驚き少年を警戒するが、フィアは“別の意味”で驚いた。
「“サヴェレンティ”、お前ユーノの声が聞こえたのか!?」
「サヴェレンティさん!?」
思わぬ名がフィアの口から出た事で、ユーノは思わず声を出して驚いてしまう。
「こらユーノ、ここは人目が有るんだからあまりしゃべるな。」
声を出したユーノを春亮が小声で注意する。
「いや、だってサヴェレンティさんって女の人でしたよね!」
「落ち着けって、前にサヴェレンティもフィア達と同じって言っただろ。」
「ええ。」
「サヴェレンティは呪われた道具としての性質で男にも女にもなれるんだよ。正式な名前が“王権を果たす完全人形(サヴェレンティ・パーフェクション・ドール)”だからな。」
「そ、そうなんですか。」
「ちなみに、シラホとサヴェレンティは恋人同士だぞ。」
すると、フィアが説明を付け加えた。
「ええ!そうなんですか!?じゃあ、ここに来たのもその…」
「多分、デートじゃろうね。」
「ええ、そうよ。」
その時、サヴェレンティの後ろで頭を抱えていた白穂が会話に参加してきた。
「この前酷い目にあったから心のケアもかねてここに来たの、“ふたりっきり”で。貴重な連休だからそれを利用して思う存分サヴェレンティ分を補給しようと思ったのに、それを無神経に無意味に無目的に阻んできた邪魔者をどうすればいいのかしら。」
そう言うと白穂は春亮を睨みつける。
「人間、私があなたに求めるのは次のうちどれかよ。一つ目、永遠に息を止めること。二つ目、永遠に心臓を止めると。三つ目、生きる事をやめること。」
「全部一緒の内容じゃねえか!落ち着けって、俺たちがここに来たのは、福引でここへの旅行券が当たったからで…」
「そう、いつも厄介ごとに巻き込まれる不幸体質のくせに、どうしてそういう時だけ運が働くのかしら。その運を世の中の不幸な人達に分け与えた方が世のためになるわ。」
春亮が言い訳をするが、サヴェレンティとの二人きりでの旅行を邪魔された白穂の怒りは収まる事を知らなかった。
「あわわわわ…」
ユーノにいたっては彼女の鬼気に当てられ、ケージの中でガクガク震え
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