冬の戦争
氷上の襲撃
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
1940年2月に入ると戦車と砲兵部隊は大幅に増強され、ソ連軍の攻撃は激化し森と湖の国は存亡の危機に直面。
旧式なマンネルハイム防衛線は強大なソ連軍を支えきれず、遂に突破されました。
第2防衛線は造成中であり、侵攻軍の波状攻撃に長くは持ち堪える事が出来ません。
フィンランド軍は古都ヴィープリの至近距離、最終防衛線に後退を余儀無くされます。
異常とも思える大寒波が追い討ちを掛け、バルト海が凍り付く異常事態が発生。
3月に入ると更に想定外の事態が生じ、ソ連陸軍の大部隊が海上を徒歩で行軍し始めます。
膨大な予備戦力を誇るソ連軍は防衛線を迂回、フィンランド軍の後方遮断を試みる行動に出たのです。
急造された防衛陣地の存在に拠り、今まで何とか侵攻軍に抵抗が可能であったのですが。
当然ながら凍結した海上に防衛陣地は存在せず、凍結した海面で正面から戦えば勝ち目が無い事は明白です。
陸上国境線の存在する戦闘正面のみならず、占領されたエストニア領からも複数の部隊が海を渡ります。
兵力に隔絶の差が存在する為、フィンランド将兵の尽力も戦局を覆す事は不可能と言わざるを得ません。
最早一刻の猶予も無く、森と湖の国は絶体絶命の危機に立たされました。
3月4日12時零分、フィンランド空軍司令部の電話が鳴り稼動全機に出撃命令が下されました。
他に頼れる者は存在せず陸上部隊は対処不可能、兵力の逐次投入を行えば各個撃破されてしまいます。
フォッカーD21、モラン・ソルニエMS406、フィアットG50≪矢≫、ブリストル・ブレニム双発軽爆撃機。
氷上の襲撃が実施され3羽の鷹、フォッケ・ウルフfw187も参加する事となりました。
とは言えモラン・ソルニエMS406は最大の攻撃力、液冷発動機中心軸装備の20ミリ機銃が凍気により使用出来ません。
1月に30機が到着しますが操縦員達は慣熟訓練の途中であり、機体の癖と飛行特性を充分に把握していませんでした。
コードロンC-713戦闘機50機は競技用飛行機が基で低馬力の為に上昇力が低く、輸送途中で44機が喪われてしまいます。
フィアットG50は素直な操縦性と急降下にも耐え得る頑丈な機体構造を有し、離着陸性能も良好でしたが。
フォッカーD21の後継機と期待された同機は陸路輸送中、ドイツ領内で咎められイタリアへ送り返されました。
急遽海上フェリー輸送に切り換えられ、スウェーデン経由で到着したまでは良かったのですが。
今度は可変ピッチ・プロペラが凍結し、操作不能となってしまいます。
スウェーデンの厚意により応急的な凍結防止装置をが取り付け飛行可
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ