第一章 「グレン・ポッターと賢者の石」〜Glen Potter and The Philosopher's Stone〜
4話 The wand made by Ollivander.「オリバンダーの杖」
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そしてオリバンダーは店内の棚を周りいろんな場所から箱を取り出して、グレンの前にいくつかを持ってきた。銀色の巻尺はグレンの体で測れる場所はもうほとんど測り尽くしたのか、すでにグレンの枝毛の長さを一本ずつ測っていた。
「もうよい」
オリバンダーの合図で巻尺はようやく止まった。
「ではまずはこれから見てみようかの。ブナの木にドラゴンの心臓の琴線。二十三センチ、良質でしなりが良い。ポッターさん、手に取って振ってごらんなさい」
グレンは言われた通り杖を手にとり、あまり期待せずに振ってみた。違和感はなかったが、それ以上に感じるような物もなかった。オリバンダーはしばらく杖の様子を見ていたが、やがてそれを止めて杖をグレンの手からもぎ取った。
「これではない・・・では、ポッターさん。楓に不死鳥の羽根。十八センチ、振り応えがある。次にこれを試してくだされ」
グレンは試したが、最初の杖の時とあまり変わらないような印象を受けた。今度はすぐに、オリバンダーは杖をグレンからひったくった。
「ふむ・・・・では、これは如何でしょう。アカシアに一角獣のたてがみ。二十五センチ、驚くほどしなる」
オリバンダーは最初に持ってきたいくつかの箱がまだ残っているにも関わらず、棚から新しい箱を取り出して持ってきた。
今度のはグレンにもわずかに違いが解った。今までの物よりもどこか力を秘めているように感じたのだ。だが、それと同時に今までのものよりもしっくり来ない違和感も感じた。これは自分の杖ではないだろう。
「ほほう・・・ポッターさん。大体解ってきましたぞ?あなたは非常に優秀な人のようじゃな」
オリバンダーは、杖が合わなかったというのに逆に意気揚揚としていた。
「では、これで如何ですかな?黒檀に不死鳥の羽根。二十八センチ、良質で堅い。さぁ、どうぞ」
グレンは受け取った瞬間、何故かオリバンダーから渡されたその漆黒の杖が、今までのどの杖よりもずっと美しい杖だと思った。形状が滑らかで漆塗りのような光沢の輝きがあるのもそうだが、それ以上に何か魅かれる物があったのだ。そしてグレンは今、この店にある他のどの杖よりもこの杖が欲しいと思った。
そのグレンの期待に応えるかのように漆黒の杖は、杖先から白と金の火花を流し、店内を明るく照らした。
「美しい・・・すばらしい輝きじゃった。私は杖と持ち主が出会うこの瞬間を見れることが一番の喜びじゃ。
この杖に使われている黒檀は、他の木よりも厳しい環境で育ったにも関わらず非常に逞しく、なおかつ、一際美しく育った黒檀じゃった。そして、芯になっている羽根の持ち主は、とても気性の荒い不死鳥じゃった。羽根を1枚提供してもらうのでさえとても苦労したのを覚えておるよ」
そしてオリバンダーはグレンの物と
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