新たな生活
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ってたし、タッチーにもその可能性がある事を理解していた。そやさかい、タッチーとはいつも切磋琢磨して、なんとか『同期で競い合いいがみ合う』んじゃなく『同期で競い合い助け合う』形を作ろうと、いつも努力してたやないの。
あんたがその気やなかったら、『いがみ合う』事は簡単やったやろ。
あんたは、気ぃが強いし、すぐ言い争いを起こしてまう。
私はな、あんたはそこを我慢してるんや、『自分のタカラジェンヌとしての理想の道』を決めて、突き進んでいるんやなぁ、と思いながら見てたわ」
「リュータンさん…」
「あんたのタカラジェンヌとしての成功は、自分の性格を曲げるくらい重要なんやと思ってた。
…その夢よりも、あの絵描きさんと結婚する方を選ぶとはなぁ…ビックリしたで」
そういって、リュータンさんは笑った。
「私には選べん道やった」
「そんな…リュータンさんは影山先生とご結婚なさったじゃないですか」
「怪我して、辞めてからな」
まぁ、その時に両想いになったから、てのもあるけどな。
どこか遠いところを見つめながら、リュータンさんは言った。
「あの時、まだトップやったあの時に、わたるさんから『好きや』と言われてもウチは信じきれんかった。
それだけやない、宝塚の乙女やのうなって、なんの価値もなくなった自分に、愛し続けてもらえるほどの価値があるのかどうかも不安やった。
『タカラジェンヌ』はウチの全てや。それを失うのは、怖かったんや」
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