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久遠の神話
第八十七話 スフィンクスの問い掛けその十一
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 聡美にだ、こう二人で答えた。
「じゃあ試してみます」
「危ないと思った時は」
「いけるかどうかわからないですけれど」
「とりあえずは」
「そうされて下さい。多分ですが」 
 聡美は二人の言葉を受けてこうも言った。
「効くかどうかはわからないです」
「はい、髪の毛のことだけはですね」
「どうしてもですね」
 絶対はないのだ、今の技術では。
「やるだけやってみますので」
「私もそうしてみます」
「こういうことしか言えず申し訳ありませんが頑張って下さい」
 微笑んでの言葉だった、聡美は今は二人にこう言うことしか出来なかった。
 二人は聡美と別れ高等部に戻ろうとした、だがここで。
 その二人の前にだ、スフィンクスが出て来てこう言って来たのだった。
「久しぶりね」
「戦い!?ここで」
「安心しなさい、それはないわ」
 スフィンクスは剣を出そうとした上城にそのことは断った。
「私は戦わないことは知っているわね」
「はい、それは」
「そして今は怪物も連れて来ていないわ」
 それもないというのだ。
「私だけよ」
「そうですか、それじゃあどうして」
「貴方に聞きに来たのよ」
 スフィンクスは座っている、その座り方はまさに獅子のそれだ。その座をしてそのうえで上城に対して言ってきたのだった。
「ここに来た理由はね」
「僕にですか」
「貴方はずっと戦うことを拒んできたわね」
「はい、しかし決めました」
「この戦いを止める為に戦うことを選んだわね」
「そうです、こんな意味のない戦いを終わらせる為に」
 まさにその為にだとだ、上城は毅然として自分の前に座るスフィンクスに対して答えた。
「僕は戦うことにしました」
「そう決めたわね。ただ」
「ただ?」
「貴方は戦いたいだけの剣士にはどうするのかしら」
「加藤さんですか」
「彼だけとは限らないわ」
 スフィンクスは上城のその目を見据えつつ彼に問うていく。
「それでも。貴方はどうするのかしら」
「それは」
「さあ、どうするのかしら」
「その時は仕方がないです」
 絶対にだというのだ、このことは。
「僕は戦ってそうして」
「その相手を止めるのね」
「そうします、戦いたいだけの戦いなんて」
 上城にとってはだった、戦いを好まず剣道はあくまで自分の心身を鍛えるものだと考えている彼にとっては。
「止めます」
「絶対になのね」
「そうします」
「わかったわ」 
 スフィンクスは上城のその目、強くはっきりとした光を放つその目を見て言った。彼が想定していないものまで見てだ。
「なら覚悟を決めてね」
「覚悟をですか」
「この戦いを終わらせるのね」
 スフィンクスはその上城に対して述べた。
「絶対に」
「わかりました」
「例え誰と戦お
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