第三幕その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「幸せはね」
「じゃあ辛い時、悲しい時は」
「まずは落ち着いてね」
それからだというのです。
「周りをよく見るんだ、そうすればね」
「幸せがあるんですね」
「本当にちょっとしたことなんだ。ほら」
丁度ここで木樵の目の前を一匹の蝶が左から右に飛んでいきました。それはあちらの世界ではモンシロチョウですがマンチキンの国なので青いです。
「今僕の前の蝶が飛んでいったね」
「はい」
「綺麗な蝶を見られて幸せだって思うけれど」
「それがですね」
「幸せなんだ」
それに他ならないというのです。
「この通りね。他にもね」
「他にも?」
「今こうして皆と一緒に歩ける」
このこともだというのです。
「幸せだね」
「このこともですか」
「そうだよ、健康に友達と綺麗な場所を暖かく歩ける」
「確かに幸せですね」
「これはかなりレベルの高い幸せだよ」
健康にお友達と綺麗な場所を暖かい中で歩けることはというのです。
「お腹が減っていなくて綺麗な状態でそう出来ているから余計にね」
「そのうちの一つでもですよね」
「幸せだからね、健康なだけでもね」
「じゃあ今の私達は」
「一杯の幸せの中にいるんだよ」
そうだというのです。
「そうなんだよ」
「そうですよね、言われてみれば」
「幸せは一杯あるんだ」
自分達の周りにだというのです。
「すぐ傍にね」
「じゃあ大切なことは」
「見ることだよ」
その自分の周り、そこをだというのです、木樵は言います。
「周りをね」
「それだけでいいんですね」
「そうだよ、けれどそのことに気付くことがね」
「難しいんですね」
「簡単なことなんだけrどね」
それでも気付くことはなのです。
「難しいんだ」
「ううん、気付けば簡単だけれど」
「そのことに気付くことがね」
難しいというのです。
「僕も気付くまでに時間がかかったから」
「確かに今こうしているだけで」
恵梨香もここで言います、皆と周りを見たうえで。
「昨日はお風呂に入れまたし」
「朝も美味しいものを一杯食べられたね」
「お爺さんとお婆さんも凄く親切でしたし」
「幸せだね」
「はい、凄く」
「お金があると幸せじゃないんだね」
神宝はお金のことをここで言いました。
「そうじゃないんだね」
「学校の成績がよくてもみたいだね」
ジョージはあちらの世界のことの学校を思い出しました。
「そうじゃないんだね」
「そうみたいだね」
「僕学校の成績がよかったら幸せだったけれど」
「僕はお金があったらね」
二人はあちらの世界ではそう考えていました。
「そうじゃないんだね」
「幸せじゃないんだ」
「いや、そういうことも幸せなんだよ」
かかしが二人に言いました。
「確か
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ