02
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
かった――――と言うべきか。
俺は半年ほど前、散々こと愛用してきた《瞑想》スキルに、隠された能力があることを発見した。《チャクラ解放》と呼ばれるその能力のうち、《第三チャクラ》は、俺に圧倒的なまでのドロップ率ブーストを掛けたのだ。モンスタードロップも、チェストドロップも、採掘も、ちょっと信じられないほどの成功率だ。
《チャクラ解放》は、《瞑想》スキルによって使用できる通常のスキルではなく、どうやらModに分類されるようだった。Modとはモディファイの略で、スキル熟練度の上昇によって使用可能になるオプションのことだ。ほかには武器スキルのMod《クイックチェンジ》のような特殊な物や、ソードスキルの使用可能制限制限を短縮する《クーリングタイム短縮》などの一般的なものまで多種多様だ。
現在《第一チャクラ》《第二チャクラ》《第三チャクラ》《第四チャクラ》の使用が可能になっている。《チャクラ解放》の能力スロットには、全部で九つの空白があり、その内四つが埋まっている。
特定の階層が攻略されると《チャクラ解放》が行われるらしく、俺は次の《第五チャクラ》は恐らく第六十四層で解放されるだろうと睨んでいる。なぜならば今まで、チャクラはそれぞれアインクラッドが14層攻略されるごとに、15層目に俺が降り立った瞬間に解放されたからだ。《第四チャクラ》はアインクラッド第五十層(つまりこの階層だ)が攻略された後、五十一層主街区に様子見をしに行った際に解放された。
「とりあえず買い取り頼むぜ」
「お、おう……」
こういった高価なアイテムは、プレイヤーに売るよりはNPCに打った方が高値が付く場合が多い。今回この鉱石を拾ってきたのは、単にエギルにレアアイテムをやろうという善意からだ。実はこのアイテム、チャクラの影響なのか一般プレイヤーの想像を絶する数(別に三ケタ以上あるわけではないが一応十は超えている)あるため、ほとんど無償提供といっても過言ではない。それに俺は第一から第三までのチャクラの影響で、モンスターを倒した時に手に入るコルの量が異様にブーストされている。金には困っていない……今のところ。
もっとも、簡単にばらまくわけにはいかない。俺が《瞑想》スキルに起源をもつ奇妙なスキルを有していることは一部の人間以外しらないし、可能な限り注目を集めたくないというのもある。
「えーっと……12500コルだな。おいおい、今週の売り上げの半分もってくなよ」
「そいつを売ったらその二倍は入るんじゃねぇの?」
「違いねぇな」
ははは、と大笑するエギル。
さすがにあれだけの金をふんだくっていくわけにもいかず、転移結晶をいくつか買い込んだ俺は(チャクラ能力ですら、残念ながら転移能力をもったモノはないため、転移結晶は非常に重宝する
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ