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いる人間がいるとはにわかに信じがたいのだが。けどいたんだから奇妙なことだよなぁ。噂では1000人くらいいたらしい。地味に多いな……。
「と、とにかく、本当に申し訳ありませんでした」
「いや、いいよ別に。何か迷惑だったわけでもないし。……今後は気を付けろよな。男プレイヤー全員が俺みたいな奴なわけじゃぁないよ」
「は、はい。あの、本当にすみませんでした!」
ペコペコ頭を下げながら去っていく女性プレイヤー。しっかし良く謝る奴だったな。
エギルの店には、その五分ほど後に到着した。店を訪れていたプレイヤーの一人が、そこそこ高価なアイテムを売りに来ていた。が、店主はそれを法外、と言って良いほどの安さで買い取ってしまった。失意のままに店を出ていくプレイヤー。まったく、いくら『安く仕入れて安く提供する』のがモットーといってもねぇ。
「よう、エギル。相変わらずセコイやつだなオイ」
「シヴァじゃねぇか!久しぶりだな、しばらく見てなかったから心配したぜ」
そう言って、小さな子供が見れば逃げ出すような笑顔を浮かべる、禿頭の大男。チョコレート色の肌に、ぎらりと光る眼。雑貨屋であると同時に一流の斧使いでもあることを象徴するような、がっしりとした体つきだ。恐らく純日本人ではないのだろう。彼がエギル。俺やキリトの様なはぐれ者の面倒を見てくれるしっかり者の一面もある。
そうそう、シヴァ、というのは俺のプレイヤーネームだ。世界各国のカルト宗教から引っ張りだこの破壊の神からとった。何でそんな名前を付けたのか?……気分だ。一年前の俺の若さゆえの過ちだ。
だがこの名前は惜しいかな、短いがゆえに愛称をつける意味がない。というわけで俺は会話する時にはこの黒歴史であるプレイヤーネームを呼ばれなくてはならないわけである。しっかし本当に何で俺はこんな名前を付けたのかな……やめときゃよかったと後悔しても、SAOに今のところ名前を変えるアイテムは無い……と思う。
「今日はどうした?なんか買ってくのか?」
「その逆だよ。アイテム売りに来た」
そう言って、バッグの中からアイテムを取り出す。
それは、金色の鉱石だった。光り輝くその外面からは、一級品の香りがプンプン漂ってくる。
「《黄金郷の鉄鉱石》……SS級鉱石じゃねぇか……どこで手に入れてきたんだ?」
「ん?ああ、暇だったから採ってきた」
「暇だったらって、お前……《黄金郷の鉄鉱石》といやぁ、《アシュレイの秘石》と並んで超入手困難って言われるアイテムだぞ。こんなの……」
「まぁ、な……本当に暇だったから採ってきたとしか言いようがないんだが」
もちろん、俺もSS級アイテムをわんさかとれるほどの幸運値があるわけでもない。いや、無
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