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最不人気使いの最強戦士
02
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るためにレベル上げをしていた彼とその友人のパーティーに力をかしたのだ。その後も何度か連絡を取り合い、そこそこ彼とは親しい友人になっている。彼が50層アルゲードの裏路地に雑貨屋を開店する時には、資産調達の手伝いなどもした。開業記念パーティーにも、もう1人の開業の立役者である友人のキリトと共に参加した。

 エギルにはその後も随分世話になった。そのため、俺は時折アイテムを売るべく彼の店に足を運んでいるのである。ついでにアイテムも買って行く。金を経由する物々交換である。ギブ&テイク。これってマブダチ?因みに彼の店は普通に比較的入り組んでいない道に入ったところにあるのだが、たまたま俺がこの裏路地を通っているだけである。しまった、転移門広場に戻れば良かったかもしれん。良く考えるとそっちからの方が近い。

「っとぉ……」
「きゃっ!」

 そんなことをぼんやりと考えていたせいか。俺は前方から走ってきたプレイヤーに気付かず、そのプレイヤーと正面からぶつかってしまった。幸い地図を落とすことも無く、主街区の中なのだから当然ダメージも無い。

 これは大きな村や街に存在する《犯罪防止(アンチクリミナル)コード》という奴の影響で、これの《圏内》では、プレイヤーはデュエルなどの特殊な手段を使わない限りダメージを受けることはない。

 それだけではない。SAOでは犯罪を行っただプレイヤーは、頭上のカラーカーソルがオレンジ色に変わる…これをとって、犯罪者プレイヤーのことを《オレンジプレイヤー》と呼ぶ…のだが、このオレンジプレイヤーが《圏内》である街の中に入ろうとすると、鬼のように強いNPC衛兵(ガーディアン)が大挙して押し寄せ、犯罪者を《圏外》に叩き返してしまう。つまり、《圏内》にいる限り、プレイヤーは絶対安全なわけである。

 が、裏を返せば、《圏内》から一歩でも《圏外》に踏み出せば、その瞬間から死の危険が付いて回ることになる。それに、いつまでも《圏内》の安全が保たれるわけではないだろう。いつか必ず、《犯罪防止コード》の加護が立たれる日が来ると、俺は予想していた。大体こういうデスゲームで、『解決』と『安全』は共存できないのだ。解決が近くなるとこういった安全措置は消えてなくなるのはお約束である。なんでそんなことが予想できるのかって?そう言うフィクションもの読み漁ったことがあるからだよ。意外だったかね?……俺は誰に話しかけているんだ。

「おい、大丈夫か?」
「ごめんなさい、こちらの不注意で……ご、ご迷惑をおかけしました……!」
「いや、別に……ん?」

 そこまで半オートモードで会話をしていた俺は、会話の相手の声が妙に高いことに気が付いた。あれ、これって……。

 恐る恐る会話相手の方を見る。年齢は俺と同じか少し下くらいだろうか。明るい茶髪
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