ヴァイオリニスト、隷属する
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、ノーネームに届けさせよう」
これについてはありがたく受け取っておく。ノーネームがいまだに財政難なのは事実だし。
「で、だ。おんしらはどうするのだ?」
「どうするって・・・自分達で選んでもいいんスか?」
「うむ。おんしらは何も、自分から悪さをしたわけではない。こちらで行動を縛ることは出来んよ」
「だそうっスけど、ユイさんはどうするっスか?」
「んー・・・そうだねえ・・・」
風間さんに尋ねられた倉田さんは、僕に上目遣いで悪戯っぽい笑みを浮かべて・・・
「うんっ。お兄さんについていくよ!」
と、抱きついてきた。
思いっきり、その、む、胸が当たっているんですけど・・・わざとだよね、間違いなく・・・
「い、いいんですか?ノーネームで?」
「うんっ!そう言うわけだから、ユイはお兄さんに隷属するよ!!」
「いや、何で隷属!?」
ついてくるのに、わざわざ隷属する必要なはないですよ!?
「え?だって、ラッテンちゃんが隷属してるから、そう言う風習なのかな、って・・・」
「そんな風習はありませ」
「ええ、そうよ」
「ラッテンさん!?」
「別にいいじゃないですか、ご主人様。そうした方がお互いの霊格も上がるんですし」
正論であるため何も言い返せない。
「・・・分かりましたよ」
「うんっ。じゃあ改めて、“強欲のヴァイオリニスト”倉田ユイは、“奇跡の歌い手”天歌奏に隷属するよっ!」
「はい。“奇跡の歌い手”天歌奏は、その隷属を受けます」
その瞬間、僕と倉田さん、ラッテンさんの霊格が上がった。
もう二回目になるけど、この感覚には慣れそうにないなぁ・・・
「えっと・・・じゃあ、これからよろしくお願いします、倉田さん」
「むー」
倉田さんは頬を膨らませている。何かご不満なようだ。
「・・・何が不満なんですか?」
「ユイのことは倉田さんじゃなくて、ユイって呼んで!」
「じゃあ・・・ユイさん?」
「さん付け禁止!」
「・・・ユイちゃん、で勘弁してください・・・」
これ以上は無理です。
敵とかなら、呼び捨てにも出来るんですけど・・・
「う〜ん・・・それならいいよ!」
「ありがとうございます。風間さんはどうしますか、これから?」
「そうっスねえ・・・ユイさんについていくっスよ」
というわけで、といいながら風間さんは僕の前まで来て三つ指を突いて・・・
「自分も奏さんに隷属するっスから、これからよろしくっス」
「いや、何でですか!?風間さんまで隷属する必要は・・・」
「おやおや、自分だけ仲間外れっスか?悲しいっスね・・・」
そう言いながら、目の前でわざとらしく泣きまねをしてくる。
「ああもう!分
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