ヴァイオリニスト、隷属する
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ードを取り出し、その角をなめる。
そこには大量のギフトが記されていたが、ボクが一番目を引くギフトは、間違いなくアレだ。
「いいぜ、歌い手。テメエがもっと多くの“音楽シリーズ”を従えたそのとき、このオレ自ら狩りに行ってやる。“狂気の指揮者”、狂崎 色様がな!!」
彼が歩いていくのに僕以外にここにいた皆がついていったので、ボクももう立ち上がってついて行かないといけない。
でも、名残惜しく最後にもう一度、眼下にいる彼らの姿を見ておきたい、そう思った。
そして、やはり彼ら四人は楽しそうで、同じ“音楽シリーズ”の集まりでも、ボクらとは全く違う、“音楽シリーズ”同士の暖かい繋がりがある。
「・・・いいなぁ、あれ」
ボクも彼らと出会えていたら、あそこには入れたのかもしれないのに・・・今でも、音楽を奏でていられたかもしれないのに・・・
「オイコラ!何してやがる、さっさと来い!」
「・・・イエス、マイマスター」
これ以上遅くなったら何をされるのか分かったもんじゃない。
まだみていようとする目を無理矢理に動かして、ボクは小走りで彼らの元に向かった。
いっそあの四人の元に逃げたかったが、それは迷惑でしかない。いつか、また会えることを願って・・・
???
「なるほど、“狂気の指揮者”か・・・それは間違いないのか?」
「ええ。といっても、本人の自称なので、ギフトネームが違う可能性はあるっスけど」
「“音楽シリーズ”が効かなかった以上、向こうも“音楽シリーズ”の担い手であることは間違いないのう。そして、相手を狂わせるギフトももっておる、と」
倉田さんが狂っていたのは、そのギフトが原因だったようだ。
そして、僕が歌ったヒーリングミュージックによってそのギフトを無効化することが出来て、倉田さんが元に戻ったというわけだ。
「分かった。そのやからが“音楽シリーズ”を集めていることは、私から各コミュニティに伝えておこう」
「スイマセン、色々お任せしてしまって・・・」
「私が依頼したのだし、私は階層支配者。これくらいはして当然だよ」
狂気の指揮者に対する注意報と、今回の事後処理は全て白夜叉さんに任せることになった。
なんでも、コミュニティによっては“音楽シリーズ”のギフト保持者もいるし、いることを隠しているコミュニティもあるそうなので、伝えておく必要があるのだ。
「それでも、“音楽シリーズ”には“音楽シリーズ”をぶつけるしかない。“狂気の指揮者”について直接の対策はおんしらに一任しても良いかの?」
「はい。僕に出来る範囲で、ですけど、やらせていただきます」
「うむ。たのんだぞ。それと、今回の報酬については後日
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