黒蝕の陰、天廻の陽
次の依頼
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「ク、クンチュウをハンマー一つで砕きおったじゃとォ!?」
移動型集会所のギルドマスターはまたも加えていたパイプが床に落っこちるほど口を大きく開けた
「あ、ああ。キレイにクンチュウが割れてた。ちょっと見てて気持ち悪かったがあの怪力はどうやら本物のようなんだマスター。」
「それにつけても今までどんなハンターでも刃を通さなかったクンチュウの外殻じゃぞ!?
クンチュウが盾虫と呼ばれる所以を知っておるのかそやつは!」
「いや知らないだろう。とにかく俺はますますアイツらの事が気に入ったよギルドマスター!」
「ううむ…この世には本当にワシやお主の知らぬ物事が沢山じゃ…。」
「それじゃなマスター!」
ジャックスはまた矢の如く集会所を後にした。
その数分前ごろ、屋台の前
「むむ、依頼を達成してきてくれたニャルね。ありがと300万ゼニーニャルよ。」
「なんだ?300万ゼニーって。そんなにくれるのか?」
傾げるダイラスの首にアルフレッドが丁寧に突っ込みを入れた。
「そんなわけないだろう。どうやらこの地方で流行っている駄洒落みたいなもののようだね。」
「そういうことニャル。静かに笑ってて欲しかったニャルよ。」
「そりゃ申し訳なかった…。」
恥ずかしそうにダイラスが頭を掻いた。
「そういえばあのヒラヒラハンターとクールハンターはどこへ行ったニャルか?」
料理長はこの場に居ないアルマとマトレガに気づいた。
「ああ、あの人たちなら今は我らの団のマイハウス…でしたっけ?そこに居ますよ。」
「ふむ…そうニャルか。いや、気にしないでいいニャルよ。
そんなことより次の依頼を任せてもいいニャルか?」
料理長のこの一言に目を輝かせるダイラス。
「次の依頼!?何だ?何が出てくるんだ!?
古龍でもいいぞ!」
「こんな平和なところに古龍が出てくるわけないだろう…。」
またも冷静なツッコミ。
「血気盛んでいいニャルね。内容はカンタン。
またまた荷物を頼んだのだが、今度はアルセルタスという甲虫種のモンスターに邪魔されているようニャル。こいつを退治してほしいニャル。」
「…ソイツはデカいのか?」
ダイラスは固唾を呑んで尋ねる。
「アイルーやクンチュウに比べれば途方もなく大きいニャルよ。」
ダイラスはこれを聞くや否や静かにガッツポーズを上げた。
背中には「ようやくハンターらしい依頼が来た!!」とでも書いてあるかのようだった。
このガッツポーズの瞬間に集会所の方から騒がしい音が聞こえてきた。
「やあ、待たせてしまってすまない!」
集会所でギルドマスターと話していたジャックスである。
ジャックス
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