暁 〜小説投稿サイト〜
SAO二次創作者と、二次主人公ズの、やりたい放題桃太郎
終章 Ever After
[3/7]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

エピローグ[まさき]


まさき「さて、と……」

りょうが出て行ったすぐ後、さちと入れ違いになるように、まさきは船着場に来た。頭はまだズキズキと痛むため、欲をいえばもう少しこの島で休みたいところではあるが、仕事を都に残してきた身である。そう長くここにいるわけにはいかないのだ。

えみ「まーさーきーくーんっ!!」
まさき「……うん?」

準備を終え、いざ出港、という寸前。まさきの耳に、聞き覚えのある声が届いた。ふと視線をそちらに投げると、なにやら大きな風呂敷包みを抱えたえみが、ポニーテールを揺らしながら駆けてくる。
えみはまさきの前まで来ると、肩で息をしながら不満そうな声を漏らした。

えみ「……もう、酷いよ。何にも言わずに一人で出て行っちゃうなんて」
まさき「ああ……すまない」

ジトーッとこちらを睨むように注がれる視線に、まさきは頭を掻きながら謝った。彼女は自分にとって命の恩人でもある。そんな相手に一言も告げないというのは、確かに少しばかり素っ気無さ過ぎたと珍しく反省した結果だ。

えみ「……もう。今回は間に合ったからよかったけど、次からは気をつけてね?」
まさき「? あ、ああ……」

もう来る予定もないのに、次も何もないだろう……と、えみの言動に僅かな引っ掛かりを覚えたまさきだったが、特に追求することもなく受け流す。

まさき「じゃあ――」

――さよなら。見送りに来たえみに改めて別れの挨拶を切り出そうとした、その時。

えみ「じゃ、行こっか」
まさき「……は?」

何を考えたのか、えみはまさきより先に船に乗り込んでしまった。あまりにも唐突なこの出来事にはさしものまさきもついていけず、気の抜けたような声を上げてしまう。

えみ「? 行かないの?」
まさき「……いや、何でお前が船に乗ってるんだ……?」
えみ「……あっ!!」

話の流れに追いつけないまさきが質問すると、えみは思い出したように立ち上がり、岸に上がった。すると、今度はまさきの前に正座する。

えみ「あはは……ごめんなさい。ちょっと緊張してて、順番間違えちゃった。そうだよね、こっちが先だよね」
まさき「いや、そういう問題じゃ……」

未だにわけが分からないまさきのツッコミも華麗にスルーして、えみは照れたようにはにかむ。
そして。

えみ「えと、不束者ですが、よろしくお願いします」
まさき「……はぁ!?」

三つ指ついてそう宣言すると、珍しく声を上げてうろたえるまさきの前で、満面の笑顔を見せた。

まさき「ま、待て! 何故そうなる!?」
えみ「……? えと、何か問題かな……?」
まさき「問題しかないだろう!?」

支離滅裂なことを言い出したえみに、まさきは大声でつっこんだ。が、肝心のえみは頭
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ