第8話
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成政達の声援を受け、柔らかく微笑み、こちらを向いた瞬間真剣な顔になった。
ジリジリと張り詰める緊張感。先に動いた方が負けという風に緊迫した空気を漂わせる。
竜司「麦穂…」
麦穂「何か…」
竜司「このままでは勝負はつかん。なんで、一つ面白い刀を見せてやる」
麦穂「そうですか…やぁ!」
瞬間、麦穂が早い一閃を繰り出す。
竜司「ふっ!」
先程と同じように、直観で動く竜司。危なげなくギリギリで躱す。
だが、麦穂も息つく間もなく流れるように次々と攻撃を繰り出す。
縦横無尽な攻撃に竜司が飛び退いていく。
竜司「はっ!」
さっき、成政に使った容量で着地と同時に攻撃へと転じていく…しかし
麦穂「その攻撃は読んでいましたよ」
俺の高速の一撃をまるで待ち構えていたかのようにドンピシャな位置で受け止められる。
竜司「あらら、先読みされたか…」
麦穂「いくつもの可能性を考え、それに備える。…私の得意とするところですから」
竜司「それが麦穂の御家流というわけか…はぁ確かに読まれるのは厄介…だけどさ」
麦穂「どうしました…竜司殿」
竜司「いやね。麦穂、俺らここまで何合打ち合ったかな?」
麦穂「さぁ…。…!?」
竜司「気付いたか?」
すると、麦穂は自分の刀を下ろしてしまう。それどころか、刀が地面に突き刺さってしまった。
麦穂「一体何が…くっ…抜け…ない!」
竜司「表を上げろ…侘助…」
竜司が持っていたその刀は、刀身が中程から鉤状に変化した形状。
麦穂「竜司殿…一体何を!」
竜司「この刀侘助の能力だ」
麦穂「刀の…能力!?」
竜司「この刀、侘助は切った物の重さを倍にする能力を持つ」
麦穂「…!?」
竜司「気付いたみたいだな。そう。この刀で一太刀斬られれば重さは倍。もう一太刀斬られればそのまた倍。そして最後には相手はその重みに耐えかね、まるで許しを請うかのようにこうべを垂れる格好になる。それが!」
瞬歩で一気に間合いを詰め、侘助を麦穂の首に宛てがう。
麦穂「ふぐ…!」
竜司「侘助の能力だ…」
壬月「そこまでだ!勝者!三上竜司!」
成政「嘘…だろ!ボク達ならともかく…麦穂様まで…」
利家「有り得ないワン有り得ないワン!一体何が起きたって言うんだよー!」
一益「麦穂様でも勝てないんじゃ雛達が最初から叶う訳ないよ〜…ってことは…もしこのまま行ったら壬月様まで…」
久遠「ふむ…四人抜きか…。これで皆も竜司の力を認めざろう得んな。…なぁ壬月よ」
壬月「殿。私はその者のことは、もう認めております」
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