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SAO−銀ノ月−
第十九話
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に役に立つ。
これも、俺が生き抜く為に必要な剣だ。

「さあて……今度はこっちの番だ……《縮地》!」

 《縮地》を使い、PoHの視界から高速で移動しつつ消える。
狙い目は、先程と同じくPoHの斜め後ろ。

「ハッ……さっきと同じ手が通用すると……ッ!」

 だが、PoHは俺の斜め後ろから来ることを読んでいた。
斜め後ろから近づく俺に向かって、メイト・チョッパーで斬り払う。

 ……ことを、俺は読んでいた。
PoHが、メイト・チョッパーで俺に切り裂こうとする前に、もう一度《縮地》を使用。
再びPoHの背後に回る。

「遅いッ!」

 虚をつかれたPoHが何か行動を起こす前に、メイト・チョッパーを持ったPoHの腕を斬り払う。
そのまま空中に飛んでいった、メイト・チョッパーを握った手を足刀《半月》で蹴りつけ、PoHの愛刀、メイト・チョッパーは遠くに吹き飛び、片腕はポリゴン片となり四散した。

 ――これで、奴は片腕の丸腰。

「これで終わりだ――PoHッ!」

 日本刀《銀ノ月》を構え直し、勢いよくPoHの胸に突き立て……ようとした。
その行動が叶うことなく、俺の身体は力を失い、地に倒れ伏した。

「油断は禁物だぜ、Idiot.」

 そう言い放つPoHのもう片腕に握られるのは――毒々しく輝く黄色のナイフ。

「麻痺毒かッ……!」

 今更分かったところで、指一本も動かせない。
かなり強力な麻痺毒のようだった。


 その間にも、PoHは自らの愛刀であるメイト・チョッパーを回収し、ヒュンヒュンと風を切りながら、倒れている俺の下へ迫っていた。

「残念だったな、《銀ノ月》……遊ばずに、麻痺が効いてるうちに斬らせてもらうぜ?」

 PoHは、メイト・チョッパーの腹で自らの肩を叩いた後、高く振り上げた。
俺は自然と見上げるような形になるため、メイト・チョッパーが月を半分に切り裂いているようにも見える。

「イッツ・ショウ・タイム」

 ラフィン・コフィン流の死の宣告が俺の耳に届く。
月下に煌めく凶刃は、まるで死神の鎌のようだった。

 ……死ねるか。
こんなところで、死ねるか……!
身体を動かそうにも、残酷にもシステムは忠実に役割を果たす。

「Good-bye」

 遂に俺にメイト・チョッパーを振り下ろされた。

――だが、PoHはメイト・チョッパーを振り下ろす動作を中断し、後方へ跳んだ。

 原因は、俺とPoHの間に割り込んで来た漆黒の馬と、その馬に乗る《黒の剣士》だった。

「……よう、PoH。久しぶりだな」

 突如として現れたフレンド、キリトが馬にまたがりながら、愛剣《エリュシデータ》を抜く。
それを見たPoHは、小さく舌打ちを
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