As 02 「遭遇」
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接の技術に長けている。だが敵のほうが上手なのか、彼女は吹き飛ばされてビルに直撃した。
「……なのはッ!」
大したダメージはなかったようで、テスタロッサはすぐに煙の中から出てきた。しかし、先ほどと打って変わって敵とは違うものに意識が向いているように見える。彼女の視線の先に意識を向けてみると、倒れている高町と敵の姿があった。背丈からして子供のようにも見える。
――高町の魔力の低下は魔力を奪われているからか。
意識をテスタロッサに戻すと、敵の一撃でデバイスを真っ二つにされたところだった。その後、数度打ち合ったものの、上段からの攻撃を受けて落下した。
反射的に止まりそうになったが、すでに高町に接近していた。必然的に敵との距離も縮まっているということだ。テスタロッサの方に向かえば挟み撃ちにされる可能性が高い。
テスタロッサに罪悪感を感じながらも、俺は左手でしっかりと鞘を握り締め、右手を剣の柄にかけながら全速で高町の元に向かった。
「……ん?」
「ッ……!」
抜刀しながらの一閃は間一髪のところで回避されてしまった。紅のバリアジャケットを纏った敵は空中で体勢を立て直すと、持っていた本のようなものを消した。
いや、あれで高町の魔力を奪っていたとすれば、テスタロッサを相手していた仲間に渡したのか。
ハンマーのようなデバイスを両手で握り締めた敵が気合の声を上げながらこちらへ襲い掛かってくる。こちらも剣を両手で握り締め、接近していく。
デバイス同士がぶつかった瞬間、金属音と火花が散った。一瞬火花で視界がゼロになる。
「……ぇ」
「……なっ」
ほぼ同時に声を漏らした。俺の視界に映っているのは、赤髪の少女。目を大きく見開いた状態で凍っている。おそらく俺も同じような表情を浮かべているはずだ。
――何で君が……ここにいるんだ?
目の前にいる少女は、間違いなくヴィータだ。俺の大切な人の家族であり、妹のような存在になりつつあった少女。言葉遣いは悪いが、根は優しい子だ。
どうして彼女がここにいるのか。人を襲撃して魔力を集めるのか、といった疑問が次々と沸き起こる。それと同時に胸の中にあった不吉な予感は、現実を認めたくない拒絶へと変化していった。
「な……なんで」
「はあっ!」
話そうとするヴィータを強引に押し飛ばした。戸惑いを隠せずにいる彼女は、さらに続けて話しかけようとする素振りを見せる。
「く……」
「おい、やめ……」
「ふ……」
ヴィータが口を開くたびに剣を振るうが、簡単に止められてしまう。
彼女と同じように俺も動揺して力が入っていないことも理由だが、実際のところはどうでもいいのだ。
ヴィータがいるということは、あとのみんなもいるということだよな。こいつらは、はや
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