八幕 Sister Paranoia
5幕
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を掴む左手は、震えていた。
「そのほうが、よかったんじゃないの」
ミラの言葉に、大きく鼓動が打った。
勝手に肩が、腕が震える。カチカチと歯が小刻みに打つ。フェイは自分の二の腕を強く抱いた。
喉からせり上がる声が、今にもミラの台詞を肯定しそうになって――
「そんなはずないでしょ!!」
ジュードの烈しい叱声に、心臓が停まりかけた。
「ミラさん自身は、そう思ってるんですか!?」
ミラは気まずげに頭を逸らした。イエスともノーとも答えられないのだと分かった。本当に、イタイほどに、彼女の心が伝わった。
(何でこわかったか、分かった。ジュードにああ言われたミラのキモチは、そのまんまわたしのキモチだからだ。死ななきゃいけない、でもこわくてできない。あの日パパのために湖に入ったフェイと、今のミラは、おんなじなんだ)
分かったとたんに、ぽろぽろと涙が流れて止まらなかった。
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