第三幕その四
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「かかしさん達だよね」
「うん、そうだよ」
かかしがそのお婆さんに笑顔で応えます。
「今からエメラルドの都に行くんだ」
「今日は何処に泊まるか決めたのかい?」
「まだだよ」
かかしはお婆さんに正直に答えます。
「何処かで休もうかって思ってるけれどね」
「じゃあうちに泊まりなよ」
お婆さんはかかしにこう声をかけました、かかしの言葉を受けてから。
「今丁度晩御飯を作ったところだしね」
「そうか、それじゃあね」
かかしはここで皆を見ます、そのうえで言うのでした。
「僕達は食べる必要も休む必要もないけれど」
「その子達だね」
「この子達に食べるものとね」
「休む場所をだね」
「うん、提供してくれたら有り難いけれど」
「そんなのお安い御用だよ」
お婆さんはそのお口を大きく開けて笑ってかかしに答えました。
「そうなんだ、それではね」
「おいで、うちに」
お婆さんはかかし達だけでなく五人も見て言います。
「美味しいもの一杯あるからね」
「はい、それじゃあお願いします」
「お世話になります」
五人はお婆さんに礼儀正しく頭を下げてでした。
そのうえでかかし達と一緒にお婆さんのお家に入りました、お家の中にはお婆さんだけでなくお爺さんもいました。二人でお家の中に暮らしていました。
お爺さんも陽気な笑顔で、です。皆に言いました。
「今晩はゆっくりしていってくれよ」
「すいません、本当に」
「お邪魔して」
「いいんだよ、あんた達はかかしさん達のお友達だね」
お爺さんは木のコップの中の青いビールを飲みながら陽気にお話します。
「そうだね」
「はい、そう言ってもらいました」
「かかしさんに」
「それなら遠慮は無用だよ」
全くだというのです。
「だからね」
「それでなんですか」
「今晩は」
「ベッドはあるから。子供達のがね」
「お子さん達のベッドがですか」
「あるんですか」
「そうだよ、もう皆結婚して家を出たがね」
その彼等のベッドがです、あるというのです。
「そこを使うといいよ」
「わかりました、それじゃあ」
「ベッドお借りします」
「あと御飯はね」
もう一つの肝心なことのお話にもなります。
「質素なものだがね」
「いえ、そんな」
「そんなことは」
「食べてくれ、これをね」
お婆さんがテーブルの上に一杯持ってきました、青い木造りの家の中にある青いテーブルの上にです。
ローストチキンにサラダ、シチューにパン、それにプティングと一杯出てきます。そのどれもが青いものです。
青い鶏のお肉を見てです、ナターシャはお婆さんに尋ねました。
「お肉もなんですね」
「そうだよ、マンチキンじゃ青いんだよ」
「そうなんですね」
「勿論他の国じゃ色が違うよ
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