暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン 〜白の剣士〜
記憶なき者A
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りゃ私、もっと前に死んでたかも。最初、このゲームが始まった時、すっごく落ち込んでたんだ。でも、シオンたちと出会ってまた頑張ろうって思えるようになった。だからシオンにはこれからも頑張って欲しいの、このゲームをクリアして欲しいの。そして、もう一つお願い。もし、エリーがまだ生きてたら・・・その時は、エリーを守ってあげてね♪それじゃあねシオン、会えてよかった。ありがとう・・・』

彼女はシオンという名前を続けていた。そして、最後に───。

『シオン・・・大好き!愛してます!』

それを最後にメッセージが終了した。聞き終えたシオンという少年の頬には涙が伝っていた。
雪羅はその映像をなぜか懐かしいと思っていた。
すると誰かに背中を押された気がした。振り返ってみると、そこには先ほど映っていた少年少女三人がいた。
一人は長身で筋肉質な男、もう一人は眼鏡をかけた少年。最後に黒髪ショートヘアーの美少女だった。

長身の男は、

『シオン、お前は前に進め!ここで、止まってたらエリーシャは救えねーぞ!!』

眼鏡の少年は、

『君は止まるより、走っていた方がお似合いです!エリーシャのこと頼みましたよ!!』

そして黒髪の少女は、

『シオン、こんなとこで立ち止まってるなんて君らしくないよ!さっさとエリーシャ、救ってきなよ!!』

黒髪の少女は雪羅になにかを手渡した。それは中に写真が入っているペンダントだった。写真には五人の少年少女の笑顔があった。そして蓋の裏にはこう書かれていた。

《 Giuro amicizia per sempre 》

この文字を見て雪羅は頭の奥にある何か(・・)が弾けた。

「ッ!」

雪羅はゆっくりと右手を顔に置いた。

『俺は・・・』

その直後、雪羅は目を覚ました。あの頭痛はいつの間にか収まっていた。

「・・・・・」

雪羅は雫の手を黙って握った。
その感触を確かめるかのように・・・。

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