記憶なき者A
[3/3]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
りゃ私、もっと前に死んでたかも。最初、このゲームが始まった時、すっごく落ち込んでたんだ。でも、シオンたちと出会ってまた頑張ろうって思えるようになった。だからシオンにはこれからも頑張って欲しいの、このゲームをクリアして欲しいの。そして、もう一つお願い。もし、エリーがまだ生きてたら・・・その時は、エリーを守ってあげてね♪それじゃあねシオン、会えてよかった。ありがとう・・・』
彼女はシオンという名前を続けていた。そして、最後に───。
『シオン・・・大好き!愛してます!』
それを最後にメッセージが終了した。聞き終えたシオンという少年の頬には涙が伝っていた。
雪羅はその映像をなぜか懐かしいと思っていた。
すると誰かに背中を押された気がした。振り返ってみると、そこには先ほど映っていた少年少女三人がいた。
一人は長身で筋肉質な男、もう一人は眼鏡をかけた少年。最後に黒髪ショートヘアーの美少女だった。
長身の男は、
『シオン、お前は前に進め!ここで、止まってたらエリーシャは救えねーぞ!!』
眼鏡の少年は、
『君は止まるより、走っていた方がお似合いです!エリーシャのこと頼みましたよ!!』
そして黒髪の少女は、
『シオン、こんなとこで立ち止まってるなんて君らしくないよ!さっさとエリーシャ、救ってきなよ!!』
黒髪の少女は雪羅になにかを手渡した。それは中に写真が入っているペンダントだった。写真には五人の少年少女の笑顔があった。そして蓋の裏にはこう書かれていた。
《 Giuro amicizia per sempre 》
この文字を見て雪羅は頭の奥にある何かが弾けた。
「ッ!」
雪羅はゆっくりと右手を顔に置いた。
『俺は・・・』
その直後、雪羅は目を覚ました。あの頭痛はいつの間にか収まっていた。
「・・・・・」
雪羅は雫の手を黙って握った。
その感触を確かめるかのように・・・。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ