暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜黒衣の魔導剣士〜
As 01 「不吉な予感」
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 今日のうちのクラスは普段にも増して一段と賑やかだった。テスタロッサがうちのクラスに転校してきたからだ。
 テスタロッサは、同年代の子供達と触れ合うのに慣れていなくて恥ずかしかったのか、教室に入ってきたときの顔が赤かった。同年代の知り合いが高町達くらいとしかいなかったのだから、当然だといえば当然の反応だろう。
 転校生であるテスタロッサは、今日一日大変だったと思う。休み時間の度にクラスメイト達から色々と質問されていたのだから。自分が彼女の立場だったらと考えるだけで疲れを感じる。

「……さて、どうしたものか」

 現在はすでに放課後。日も傾き、周囲は赤い光に照らされている。
 今朝シュテルに学校でテスタロッサと話すと言っていたのだが、結果的に言えば彼女とは話せなかった。帰ったらシュテルが聞いてきそうなので、このままだと小言を言われそうでならない。
 視線は何度も重なっていたことから、俺だけでなく彼女のほうにも話す意思があったように思える。だが積極的に話しかけてくれるクラスメイト達を彼女が無下にできるはずもない。
 俺はテスタロッサとは多少なりとも知り合いだったため、クラスメイトを優先させようという考えに至った。そのほうが彼女と話す時間も取れるだろうと思ったからだ。
 だがこの予想が甘かった。
 フェイト・テスタロッサ。この名前を聞けば外国から来たのだと思うのは当然だ。質問の量が膨大になるのは普通に考えれば分かる。
 こんなことに気づかなかったのは、テスタロッサとの再会に無意識に緊張していたからなのだろうか。いや、これを考える前にテスタロッサとどうやって話すかを考えないと。

「じゃあフェイト、なのは」
「また明日ね〜」

 校門付近に差し掛かると、手を振っているバニングスと月村の姿が目に入った。彼女達が手を振っているのは、高町とテスタロッサ。ふたりもバニングス達に手を振っている。
 これは自分から行けば話せる、と思った矢先、高町達に手を振っていたふたりの視線がこちらに向いた。笑顔で手を振ってくれる月村に対し、バニングスは手を軽く上げるだけだった。
 おそらく「またね」という意味だろう。素っ気無い仕草だが、こういうやりとりがあるようになった辺り、少しは彼女との距離も縮まっているのかもしれない。

「あっショウくん。一緒に帰ろう」
「え……」

 高町の発言に驚いたのは、俺ではなくテスタロッサだった。お互いに話そうとする意思はあったが、いざ話すとなると緊張する。それが彼女の場合、一般の同年代よりも顕著なのだろう。テスタロッサと話すという目的があった俺は、高町の提案を受け入れた。
 3人で帰り始めたものの、テスタロッサは突然の展開に思った以上に緊張しているようだ。これ以上、緊張させてしまわないように、俺はふたりの少
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