第四話 【初心を忘れず】
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「いや、それはまだ、思いつかないけど……」
近くにギャルゲーらしきBGMが流れる。
「なんだよ、快。今はギャルゲーなんてしねぇぞ」
快が喋りかけてくる前に言う。
「ちぇっ、冷たい奴だなぁ。やろうよぉ、ギャルゲー」
「今、鬼ごっこのルール設定中なんだよ」
「鬼ごっこするのかぁ? そんなこといつ決まったんだなぁ?」
こいつ、さっきの時間何をしていたら聞き逃すんだ? って、ギャルゲーに決まってるか……。
「快はゲームして、聞いてなかったから。陽奈のクラスと一緒にクラス対抗でするつもり」
「それで、ルール設定を考えてるんだけど、いい設定が思いつかないんだよ」
すると快は、ポケットから新しいゲーム機を出し、電源を入れて操作する。
「鬼ごっこのルールなんて、これをパクればいいだろぉ」
快は俺と凛に、ゲームの画面を見せる。そこには鬼ごっこらしきもののルールが書いてある。
「なになに、ゲームは十分間で行います。次に二組に人を分けます。それから、逃げる方と追いかける方を決めます。十分間で一人でも逃げきれば、逃げる側の勝ち。逃げ切れなければ追いかける側の勝ち。さあ、ここで勝って一気にヒロインの好感度を上げよう! ○ボタンと方向キーのみで簡単にできる。スタミナゲージをしっかり見るのがポイント。気に入ったら現実でもチャレンジ」
これ、本当にギャルゲーか? ミニゲームだと思うけどさ。
「このルールいいわね。快、この画面のままにして」
凛は、快のゲーム機を机に置き、出していたルーズリーフにルールをまとめる。
ふっと気になっていたことを思い出す。
「そう言えば、今日は三年生や二年生はいないのか? さっき、来島先生が校舎使っていいって言ったけど、二、三年が授業するなら使えないだろ?」
「今日は、二年は修学旅行の準備で学校にはいない。三年は、昨日の地域の掃除のボランティアで振替休日」
凛が書きながら説明してくれる。
「なるほどな。今日、この学校は俺ら一年だけってことか」
☆
そして、五限目の現代国語が終わり、待ちに待った六限目のLHRの時間。両クラスは、B組の教室に集まっている。
「今からのルールを説明するね。五分で終わらせるから。ルールは簡単、制限時間十分で二つのチームを構成して片方が鬼でもう一方が逃げ隠れする方ね。捕まった人は教室で待機」
少し溜めて凛が、三回して勝利率の高いチームに来島先生とC組の高島先生からアイスが貰えるよ。名付けて、クラス対抗変則鬼ごっこ大会! といつも通り高らかに宣言する。
おぉぉぉぉっ! と両クラスから歓声が沸き上がる。
クラス代表同士のじゃんけんが始まる。B組の代表は俺
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