第百話 運命
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
超えているものを拒絶したのだ。
『だからそれを補う為に外側から引っ張り込んできた。それがこの?(AA)だ』
その結果が今の彼であり、彼はある意味、誰よりも凡な人間であると言えた。だからこそ、彼はスーパーコーディネーターでもなければニュータイプでもなく、ましてやSEEDの因子を持つものでもない。
『故に、己の存在は特別でも何でもない。ただのちっぽけな――――』
才能もいらない。地位も、名誉も、己という存在を狂わす総てがいらない。ただ、平凡でありたかった。ただ、そこで何をするでもなく、生きていたかった。そこで死んでいきたかった。そして何よりも終わりを迎えたかった。
『人間なんだよ』
だが、それは許されない。彼の望む願いは誰よりも遠く、誰にも叶えることは出来ない。世界が終わらない。終わりをむかえさせない。私は幾度転生させられたという?僕は何度繰り返さなければならない?自分はどうしてまだ世界にいる?そんな繰り返しに終焉を求めるために変化を投じた。道化を演じれば終わらせれるとそう思ったから――――だから、彼は壊れてしまった。
『だから俺は死ぬために生きてきた!それが俺の欲した人としての人生だからだ!!』
もう次の人生のない己の死という完全な結末――――それが、彼が戦う理由であり、根底を成すものであり、唯一無二の願いだった。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ