第百話 運命
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ああ、あんなのもデータだけはあったな、確か……」
B.W.Sを装備して戦闘機の状態となっているリ・ガズィを見つけてクラウはそんな事を呟く。何であんな欠陥機が今更造られたのかなどと思いつつもクラウは狙いをつけ、ビームを放った。しかし、予想外にもその攻撃を躱されてしまう。
『えらくピーキーだな!こいつ!?』
慣れない機体というのもあるが、元々Z系列の機体は操縦性に難があるのが多い。その為、リ・ガズィに乗っているネオはナチュラル用のOSであるにもかかわらず、機体に振り回されていたのだ。尤も、それが幸運なことにクラウの放ったビームを躱す結果へとつながったのだが。
「チッ、不安定過ぎて逆に落としにくくなったって事か……」
『これ以上やらせるものか!』
後ろからキラがクラウに向けてビームを放つが、その攻撃もあっさりと避けられる。
『えぇーい!』
ルナマリアのフォースインパルスがライフルを構えて撃ち放ってきた。ようやくこちらを敵として認識したという事だろう。だが、遅すぎる。ビームは一発も命中することなく、寧ろ反撃とばかりに放たれたビームによってシールドを持つ左腕が破壊された。
『きゃあァァァ――――!?』
『お姉ちゃん!』
ミネルバやアークエンジェル、それに他のMSが援護しようとするのだが、クラウにとっては大した脅威になっていなかった。艦隊の砲撃は元々MSを捉えるには遅すぎる。その上、威力や範囲が大きすぎるせいで味方が近くにいては迂闊に攻撃できないのだ。
MSの方も一機で仕掛ければルナマリアのように迎撃され、かと言って複数機で攻めようとすると誘い込まれるように動かし、連携を崩される。
『こんな機体でもやるっきゃねえだろ!』
「来るか!」
戦闘機の状態でリ・ガズィがクラウに突っ込んでくる。それも最短距離で真っ直ぐに。愚かとしか言いようのない行動。だが、リ・ガズィは他の可変機とは違うシステムによって変形している。
ゲルググがビームを放つ。正面から突撃しているリ・ガズィに回避は間に合わない。ビームに撃ち抜かれて爆発が起こった。
『ムウさん!?』
しかし、爆発の中から現れたのは無傷に近いMSの状態となったリ・ガズィ。ビームに命中する直前にB.W.Sを外し、盾代わりにしたのだ。そして、その内部にあった推進剤に誘爆することで爆発が起こったのである。
『こいつで!!』
爆発を隠れ蓑にして一気に近づいたネオ。幾度となく攻撃を続け、今度こそ不意を突いたと思った。しかし――――
「知っているよ――――自分で設計した機体の特徴を忘れるわけないだろう?」
『なんだと!?』
不意打ちは失敗に終わり、あっさりと斬りかかってきたビームサーベルを逆に切り裂いた。
何故不意
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ