番外6話『航路にて』
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俺を見てくる。
回避できそうにない。
「……いつからっていうか……気づけばって感じかな。子供のころからずっと一緒にいて航海士としての勉強を頑張るナミを、いつの間にか目で追うようになってた」
「へ〜」
とりあえず王女なのにそういう笑顔はよくないと思うぞ? そう言おうと思って口を開き――
「――ハントはナミのことが好きだったんだな」
「ま、人それぞれってもんがあんだろ」
「いやしかしナミってのは……ハントが尻に敷かれてる未来しか浮かばねぇな」
「クエー」
順にルフィ、ゾロ、ウソップ、最後はもちろんカル―。
全員起きてたのかよ!
「……お、お前ら……い……いつから」
「ビビと話してる時」
結構前じゃねぇか!
声かけろよ!
「……なんかものすごい恥ずかしいんだけど」
「……ま、ルフィとナミ以外全員知ってたんだ、気にすんな」
ゾロの言葉だけど……それ全然慰めになってないから。むしろちょっと聞きたくなかったんだけど。
……あれ、じゃあサンジも気づいてるのか?
……ん? じゃあなんでサンジはわざわざ俺と交代してくれたんだ?
ナミ優先で物事を考えるだろうサンジが俺に気を使ってくれた? なんか違和感あるなぁ。
もっと頭がよかったわかるんだろうな、きっとこういう人の感情とかも。
「ナミが好きっておめぇ勇気あんなー」
わざわざ言わなくていいからね、ルフィ。
まぁ、もうここまで来たら否定するだけ無駄というのはさすがに俺でもわかる。
「……そういうわけなんだけどさ……最初、俺がルフィと一緒に行くって決めたのはただナミといたいからっていう理由なんだよな。もちろん今はそれだけじゃないけど……でも、なんかごめんな」
俺を気に入ってくれて誘ってくれたルフィに、なんとなく申し訳なくて頭を下げる。けれどやっぱりルフィは俺が思う以上に大きい男で。
「なに言ってんだ、おめぇがいてくれて俺らだって助かってんだ。それに、今はそれだけじゃないってことはちゃんと俺たちのことも仲間って思ってくれてんだろ?
「……それは……うん、もちろん」
「じゃあそんなことでいちいち謝んな」
――飯もお前ぇのおかげでいっぱい食えるしな。
そう言って「シシシ」といつも通りに笑うルフィがいて。
「……そうだな」
改めてこの一味に入れてよかった。
心の底からそう思えた。
……そういえばナミが俺の名前を呼ぶことはその日は結局なかった。
本当にナミが俺の名前を呼んだんだろうか?
しかも、それだけはなんでか誰も教えてくれなかったし。
……気になる。
こうしてハントは麦わら一味へとさらに深くつながっていくわけだが、それはさて
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