番外6話『航路にて』
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ナミときたら熱もあるし、辛そうだし――
「――そうじゃなくて、ハントさんが」
「……俺?」
別に風邪を引いてるわけでもないし、熱があるわけでもない。
意味がわからない。
「だってハントさん……ナミさんが倒れてから寝てないでしょ」
「ぇ」
息が止まるかと思った。
――なぜばれた。
ビビの言う通り、確かに一睡もしていない。
正確にはたまにウトウトして眠りそうになるけど、そうなった瞬間にナミが苦しんでいるのにという言葉が浮かんで目が覚めて寝れない。
そういう考えがもしかしたらなんとなく雰囲気に出してしまっていたのか「見てたらわかるわよ」とまたビビに軽く笑われてしまった。まぁ、船のみんなとはずっと船上生活をともにしているわけだし、ばれないわけがない、といえばその通りだ。
「ナミが苦しんでるのに……寝れるわけないだろ?」
観念して言ったはいいけど、これちょっとぶっちゃけすぎたかな?
もう少し包み隠していったほうが俺のナミに対する気持ちがばれるような気が――
「――ハントさんに聞いてみたいと思ってたんだけど、いい?」
「ん? いいけど」
「いつからナミさんのこと好きなの?」
「!!!!?」
はい!?
あれ!?
ばれてる!?
ちょっと待て! いやいやいやいやちょっと待て!
とりあえずナミが目を覚ましていたらシャレにならないと思ってナミを見るけど、流石に小声の会話だからか、ナミの目が覚める気配はない。
よ、よかった。心底そう思った。
「お、俺がナミのことを好きだっていうのを前提に話すのっておかしくないか?」
べ、別にどもってないぞ。
「……えっと……普段の態度見てたらわかると思うんだけど」
「ふ、ふふ普段の態度って?」
まるで俺があからさまな態度に出してるみたいじゃないか。
「食事の時はやたらナミさんの隣で食べたがるとか、サンジさんがナミさんにおべっか言うときには不機嫌そうになったりだとか、いつもナミさんの方を見てたりだとか、ナミさんが――」
「――ごめんなさい。認めますんでもうやめてください」
結構態度に出てたらしい。
ウィスキーピークでゾロに言われてナミを好きでいようって決めたものの俺的にはそれをあからさまな態度に出しているつもりはなかったんだけど……うん、出てたらしい。死ぬほど恥ずかしいな、なんか。
「……で、いつから?」
ビビが今日一番の笑顔で言う。
やっぱり女子が恋話を好き、っていう噂は本当だったのか。ビビのこんなにわくわくしてる表情は見たのは初めてだ、付き合い短いけど。恥ずかしいから答えたくはない……けどビビが言い出すまで話を変えるつもりはない、とでも言いたげな態度でじっと
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