暁 〜小説投稿サイト〜
ワンピース〜ただ側で〜
番外6話『航路にて』
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った。
 ルフィがまだ捕まっていないのだから、とその時点で他人に任せようとしていた。

 しかも、ナミも一緒に捕まっていたのに。
 自分の力で状況を打破するわけでもなく、ただ他人が来てくれるのを待っていた。
 そんな自分が、ハントは許せなかった。 

 ――ブロギーやビビのあれ。

 ゾロがそれを実行しようと言ったときに、二人はその案に乗って頷いた。そして彼らのその表情には曇りも迷いも、そして恐れすらなかった。
 例えば自分の足を両断してでも戦うというその発想を持ち掛けられたとして、心の底から同意するということができるだろうか。

 これも、普通は否だ。
 だが、少なくともゾロもビビも、ブロギーも本気だった。
 ゾロに「お前もやらねぇか?」と声をかけられたときには頷いたハントだったが、その実内心では足なしで戦えるだろうかという不安にまみれていた。
 そんな自分が、ハントは許せなかった。

 ――普通じゃだめだ。体だけじゃだめだ。師匠だってエースだって白ヒゲさんだって……俺と同じ場面ならすぐにゾロと同じように考えるはず。その強さが俺にはない。

 膝に置いてあった手に力を込めて、そしてハントは目を開けて呟く。

「強く……何があってもナミを守れるように、麦わら一味でいられるように、師匠を越えられるように……強く!」

 立ち上がった彼が自分を鼓舞するかのように決意を固めたとき「みんな来て! 大変!」
「……?」

 突如甲板から響いたビビの声に、ハントが「ルフィが海に落ちたか?」という呑気なことを思ったときだった。

「ナミさんが! ひどい熱をっ!」

 ビビの声が、より強い音をもってハントの中に響いた。




 夜の海。
 いつもなら一昼夜、風を受けて進んでいるこのメリー号も今日の夜はそういうわけにもいかずに、停泊中。 
 理由はもちろんナミが倒れてしまったから。
 航海士なしの夜のグランドラインの航海は流石に危険すぎる。

「異常なし、と」

 念のため周囲を見てみるけど、俺の言葉通り現状のグランドラインには何の問題も見られない。いつもなら無言で状況確認してるのに今日に限ってわざわざ声に出すのは、なんというか自分でも声を出さないと見張り番という役目を全うできそうにないから。

 今ごろビビがナミの看病にいそしんでいることだろう。他のみんなもきっとナミのことを心配しながら自分たちの部屋で寝ていると思う。本当なら俺も一緒に看病しながらずっとナミの側にいたいけど、残念なことに俺ができることなんてゼロだ。サンジのように看護食を作ってやれるわけでもないし、ビビのように上手に看病できるわけでもない。

 今日でもうナミが倒れて数日が経過している。
 この数日間、ずっとナミが
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