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八条学園怪異譚
第五十五話 百鬼夜行その十八
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 鉄鼠も飲みつつ二人に言う。
「わし等は動物園の兎コーナーにいるから」
「そこにモルモットやマウスとしているからね」
「あと兎小屋にも」
 そうした場所にいるとだ、鼠や兎達も言ってくる。
「あとすねこすりさんは猫のコーナーに紛れ込んでいるけれどね」
「僕はそうなんだよね」
 すねこすり自身もそうだと言う、見ればスコティッシュフォールドに似ている。
「大きいからね」
「ちょっと見たらそうよね、猫に見えるわ」
「スコティッシュフォールドとかマンチカンみたいよ」
 二人もそのすねこすりを見て言う。
「皆他の動物の人達と一緒にね」
「ぱっと見てもわからないわ」
「まあわしは違うけれどね」 
 鉄鼠は前足を人間の手の様にして使って飲みつつ笑って言った。
「流石に」
「そんな大きな鼠いないからね」
「一メートル超えてるから」
 二人は鉄鼠のその大きさを見て突っ込みを入れた。
「ヌートリアとかならともかく」
「普通の鼠でその大きさはないわよ」
「そうそう、だから普段は小さくなってるんだ」
 鼠の本来の大きさになっているというのだ。
「それで暮らしているんだ」
「だからマウスやモルモットのコーナーに行けばいいのね」
「そこに行けば会えるのね」
「そうだよ、だから待ってるよ」
 動物園のそのコーナーでだというのだ。
「楽しみにしているからね」
「うん、じゃあね」
「その時にね」
 泉のことを話そうと決めてだった、二人は今は飲むことと食べることに専念した。百鬼夜行の時も泉は見つからなかった、だがそれでも二人は落ち込んでいない。
 そうして次の泉の候補地、そこに向かうのだった。


第五十五話   完


                                  2013・10・28
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