暁 〜小説投稿サイト〜
魔道戦記リリカルなのはANSUR〜Last codE〜
Epos15日常の新たな友・非日常の討つべき敵〜Wiedersehen〜
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やて。その子の写真とか無い?」って訊かれた。なんでかな、ここでシャルちゃんにルシル君の写真を見せたら、ひどくヤなことになるかも知れへんって思えて「ごめん。写真とかは家やわ」って嘘を吐いてしもうた。ホンマは携帯電話の待ち受けやフォルダにいっぱい入っとる。
「う〜。そっかぁ」
シャルちゃんはホンマに残念がったけど、「ま、いつか会えるんだからいいか」って期待に胸を膨らせて、引いてくれた。そうやな。どの道会うんなら、もう今のうちに見せた方がええかもしれへん。そやけど持ってへんって嘘吐いたし、今さらどう言えばええんやろ。
「あ、そうだ。はやてちゃん、携帯電話持ってる?」
そう悩んどると、すずかちゃんが携帯電話をポケットから取り出した。わたしは「持ってるよ」と返してスカートのポケットから携帯電話を取り出す。うん、ルシル君とは直接会ってもらおうっと。
「電話番号とメールアドレス交換♪」
「あ、私も!」
「あたしも!」
なのはちゃんとアリサちゃんも携帯電話を取り出して、赤外線通信ですずかちゃん達と交換する。アドレス帳に新しく加わった、同い年で、しかも女の子の友達の電話番号とメールアドレス。
「そう言えばフェイトちゃんやアリシアちゃん、シャルちゃんは携帯電話持ってへんの?」
「あー、うん。
この世界
(
ここ
)
へ来たのって昨日だから・・・ごめん」
「あ、でもリンディ提督が買ってくれるって約束してくれたから、買った時に交換しようね♪」
フェイトちゃんは残念そうに、アリシアちゃんは買ってもらった後で交換しようって言ってくれたんやけど、その前に「提督?」ってなんやろ。確か海軍とかで艦隊を率いる一番偉い人のことやなかったっけ。
「わぁわぁわぁ!」
「えっと、えっと、提督っていうのはね、あれなんだよ!」
「そ、そう! フェイトとアリシアの保護者のリンディさんって外国の軍人で、軍艦の艦長を務めてるのよ! 艦長より提督の方が格好いいって事で、そう呼ぶのよね!」
「うんうん!」
フェイトちゃんがアリシアちゃんの口を防いで、なのはちゃんが慌てて言い繕おうとして、アリサちゃんが教えてくれて、すずかちゃんが最後に何度も頷いて締めた。勘やけど、たぶんこれは事実や。そやけど何かを隠そうとしてるって感じやな。
気にはなるけど、ルシル君に倣ってこちらからは訊かへん。話してくれるのを待つだけや。そやから「すごい家族を持ってるんやな、フェイトちゃんとアリシアちゃんは」って素直に尊敬する言葉を告げた。無事に誤魔化せた、って風に乾いた笑顔を浮かべるすずかちゃん達。そんな中・・・
「いいなぁ、フェイトとアリシア。わたしには誰も買ってくれない・・・」
「「シャルちゃん・・・」」「「「シャル・・・」」」
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