ヘルヘイム編
第2話 リトルスターマイン
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レッスンの時間が元に戻ってから、咲たちリトルスターマインがダンスを披露できる時間も戻った。
以前のように塾や習い事に行く前のちょっとした時間、野外劇場には児童が集まってくれる。未だバッシングの全てが治まったわけではないので、客数自体は減った。
逆に言うと、悪条件にも関わらず来るちびっこは、リトルスターマインを本当に好いてくれている客だ。
「――と、カッコつけてみても、今日は終わったんだけどね」
「咲〜、だれに向かって言ってんだ〜?」
「ひとりごとー。それよかサクセンカイギ始めよ」
咲たちは野外劇場のステージの上で円陣を組んで腰を下ろした。
「確認しよう。あたしたちリトルスターマインの目標は、『ビートライダーズでありつづける』こと」
チームメイトは全員肯く。反論は上がらない。
「何でビートライダーズでいなきゃいけないか。ハイ、チューやん」
「……おれたち全員の思い出を守るため」
「そう。あのままチームをカイサンしたら、あたしたち、セケンにただのワルガキだって思われて終わっちゃってた」
リトルスターマインは、最初は「ヘキサの思い出作り」のために結成されたビートライダーズのチームだった。だが今は。
リトルスターマインは咲たち全員にとって等しく大切なもので、場所だ。
「ビートライダーズに欠かせないのが、ダンス、ステージ、そしてお客。今一番あやぶまれてるのが、市民のビートライダーズばなれ。沢芽市のオトナはあたしたちを、インベス使って好き勝手にアバれるフリョーだって思ってる。そのゴカイは、正直ときにくい。実際やらかしたチームがいるから」
今朝の新聞に、インベスを操って宝石強盗を働いた罪で捕まった男たちの記事があった。朝でバタバタしていてちゃんと読めなかったが、十中八九、レッドホットの連中だ。
「だからあたしたちはキヨくタダシく生活しよう。むしろ一日一ゼンくらいのつもりで。少しでもビートライダーズにプラスイメージが戻るように」
『おー!』
六つの小さな拳が天に向けて掲げられた。
家路の途中。雑踏の中を歩きながら、咲は大きくため息をついた。呼吸に合わせて、背負ったランドセルの中身が揺れた。
(みんなにはああ言ったものの、あたしはほかにもモンダイあるからなー)
――ビートライダーズの合同ダンスイベントの日。その終了に合わせて、咲は紘汰や戒斗ともども襲撃された。
ユグドラシル側の青いアーマードライダー、デューク――戦極凌馬に。
…………
……
…
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