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東方虚空伝
第三章   [ 花 鳥 風 月 ]
三十三話 読心の瞳
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 結界の先の風景はさほど変わる事も無く深い森の中を道が一本続いていおり暫く歩くと森が開けた場所があり、そこには木造二階建ての砦風の建物が建っていた。
 念の為木々の影に身を隠しながら砦の周囲を観察したが見張りや巡回の者などは見えなかった。まぁ馬車を引いていた三人を見る限り殆ど無警戒だったしそんな連中の仲間が結界に守られたアジトの周囲を警戒する訳も無いか。
 僕とルーミアは一応警戒しながら砦の入り口に近付き、気配が無い事を確かめながら扉を開け砦に侵入すると奥の方から男達が談笑する声が聞こえてきた。そっと近付き食堂らしき大き目の部屋を覗き込んでみると数人が集まり酒盛りをしている様だ。その中にはさっきの三人もおり口々に愚痴の様な事を喚いている。

「全くうるせーガキでよ!「どうすんだあのガキ「売れるんじゃねーの?「どこに置いたんだよ?「あ〜ん、あの妖怪のガキ共と一緒に地下だよ「おいおい、あの変態の所かよ!「あいつでも柳杉屋の旦那の大切な商品には手ーださねーだろ?「じゃぁそのガキは?「あ〜そこまでは考えて無かったわ〜がーははははは!「まぁ調教済みでも売れるか「俺にゃー分からんねガキの良さなんてよ!「あー同感「そうか?俺は分かるぜ!「てめーも変態かよ「ハハハハハハ……

 中々に胸糞悪い話の内容にルーミアが怒りに任せ飛び出そうとするのを手で制し「とりあえず地下を探すよ」と伝えその場から離れた。地下への入り口は案外簡単に見つける事が出来き、僕達は下へと続く階段を慌てずそして出来る限り急いで降りていく。




□   ■   □   ■   □   ■   □   ■   □   ■




「やぁぁぁぁぁぁ!!!やだやだやだやだ!!」

 部屋の四方に掛けられたランプの明かりだけで照らされた薄暗い石造りの十畳程の部屋に少女の悲鳴が響き壁にぶつかり反響する。悲鳴を上げているのは黒髪の少女で両手を縄で縛られ白い半袖のブラウスは無惨に引き裂かれ黒のセミロングスカートを捲し上げられながら肥満体系の剥げた男に組み敷かれていた。

「だ、大丈夫なんだな!こ、怖くないんだな!」

 そんな言葉を男は組み敷いている少女にかけるが、その言葉が少女を安心させられるはずも無く更に悲鳴を上げさせるだけだった。それに逆上した男は少女を頬を平手で打ち首を絞めて無理矢理黙らせ様とする、がそれを咎める様に叫ぶ声が、

「止めなさい!最低ですよ貴方の行動は!」
「その子から離れろ!変態!」

 声を上げたのは薄紫のボブの少女とセミロングの少女。二人は黒髪の少女と違い両手に鎖を巻かれ、その鎖は石壁に打ち付けられており殆ど移動できない状態だった。その為襲われている少女を助けることが出来ず声を張り上げるしかないのだ。男は二人に視線を向けながらニヤニヤ笑い
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