第三章 [ 花 鳥 風 月 ]
三十三話 読心の瞳
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「お、お前達もな、仲間に入りたいんだな!で、でもだ、旦那様のだ、大事な商品だから手が出せないんだな!」
それだけ言うと再び組み敷いている少女に襲い掛かろうとしたが横から衝撃を受けて石床に無様に転がった。男が自分を突き飛ばした人物に視線を向ける、肩まで伸びた黒髪を後頭部で一纏めにした三十代位の男が黒い瞳に嫌悪感を宿し睨みつけていた。白い狩衣と紺色の袴を身に纏っており品の良さも感じる。
突き飛ばされた男は面白くなさそうに立ち上がり男性に声をかける。
「こ、こんな事をしてい、いいのかな?せ、先生にはき、危害を加えない様に言われてるんだな!で、でも先生から預かってるあの子はち、違うんだな!自分の立場をり、理解するんだな!」
「貴様!っ!?」
男性が叫んだ瞬間男の拳が頬を叩き床へと叩きつけられてしまう。危害を加えるな、というのは生きていればいいという事なのだろう。それか男の勝手な判断か。
男性を殴り倒した事で満足したのか男の視線は壁際に逃れていた少女へと戻り、その視線を向けられた少女は自らの身体を抱く様にして震えていた。少女へと近付く男に鎖で繋がれている少女達が罵声を浴びせるが男は全く意に介さず震える少女に手を伸ばしながら、
「い、痛いのはさ、最初だけなんだな!そ、その内か、快感にな、なってくるんだな!」
「あら?そうなの?……だったらまずあんたが実践しなさい!屑野朗ッ!!」
突然自分の真後ろから聞こえた声に驚き振り返ろうとしたが、それよりも速く襟首を掴まれ勢い良く石壁に叩きつけられそこで男の意識は途絶えた。
□ ■ □ ■ □ ■ □ ■ □ ■
ルーミアは壁に叩きつけられ床に倒れたデブ男に止めのつもりか大剣を突き下ろそうとしたが、僕はその手を掴み行動を止めさせた。
「何で止めるのよ!」
ルーミアの怒りは尤もだし僕だって本当は止めたくは無いけど。
「ごめんね理由は二つ、一つは彼に聞きたい事があるから。二つ目、こっちが重要かな?…その子の前で惨殺死体を作れないでしょ?」
僕が視線で震える少女を指すとルーミアも冷静になったのか大剣を消し少女へと近付いていく。
「ごめんなさいね、もう大丈夫だから。虚空あんたの服貸しなさい」
ルーミアにそう言われ僕は着ていたロングベストを渡すとルーミアは少女の破れていた服を隠すように羽織らせた。その子の事は彼女に任せ僕は鎖で繋がれている子達の所に向かいとりあえず両手を拘束している鎖を解く。
「あ、ありがとうございます、あなた方は一体?」
「助けてくれてありがとうお兄ちゃん!」
女の子達はそれぞれ感謝を口にするが、少し困った風に一つお願いをしてきた。
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