プロローグその6:運命との出会い(後編)なんじゃね?
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…………女子に手を上げるのってマズく無ぇか?
マジでどうしよう、この先の事何にも考えてなかったんだけれど……。
砕けたバリア越しに居る赤い目の金髪の女の子に目を合わせながら俺は考えた。
◆◇◆
フェレット姿のユーノ・スクライアは襲撃してきた魔導師の『使い魔』らしき女性と戦いながら、少年の戦況を心配していた。
工事現場の作業員にアーマーを装備させたような不恰好な友人は、身の丈に合わない大きく重たいデバイスを必死に振り回し相手に一撃を入れようと奮闘するが上手く行かない。
それもそうだろう、ソーイチは近接特化型の魔導師と言えども対人戦闘の経験はほぼゼロ、加えて機動性は皆無に等しい重格闘タイプである。
対する相手は経験豊富な上に機動力に優れたオールラウンダー。
相性は最悪である。
使い魔の猛攻を受け流しながら見る光景は「案の定」と言った所で、相手に攻撃をするも回避され、逆に相手の攻撃を受けるというものである。
それでも、ソーイチの防御力が自分の張る防御魔法に匹敵或いは一部凌駕している事を知っていたユーノは少しだけ彼に賭けている所も合った。
どの戦いでもそうだが、攻撃を加える瞬間というものが一番無防備になりやすい。
所謂カウンターと呼ばれるそれによって涙を呑んできた格闘家や命を落としていった騎士の数は地球、ミッド、ベルカを問わず相当の数に上る事を知識人であるユーノは良く知っていた。
決してソーイチの家に上がりこんだ際に読んだ「あし○のジョー」とか「はじめ○一歩」とかに影響を受けたのでは無い、断じてない。
マルケスの名勝負のビデオを見た訳でもない。
兎も角、格闘技マニアな友人は決して何の考えも無しにあの「非常にボディラインを強調させたバリアジャケットを身に纏ったセクシー路線の魔導師」にスッポンの如く噛り付こうとしている訳ではないだろうし、そうとなれば恐らくカウンター狙いの一撃を狙っているのではなかろうかと思っていた。
そして、それは彼の予想通りの試合運びとなった訳である。
「フェイトッ!!」
使い魔が目を見開いて主の名を叫ぶ。
それを見て、ユーノはソーイチ劣勢が覆された事を認識し、同時に自分の予想が的中した事を知った。
ソーイチは中々に策士であった。
数多の猛攻を鉄壁の守りで防ぎきり、スタミナ切れを起こした相手にあえて攻撃を加える事によって回避と連動した攻撃を誘発。
そこで初めて姿を見せたデバイスの別形態で一気に決着を付ける。
恐らく彼が防戦一方だったのはパターン化を狙っての事だろう。
人間は学習する生き物だ、特に決まり事を延々と続けていくとそれに慣れて効率を上げようとするがそれは同時に突発的
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