プロローグその6:運命との出会い(後編)なんじゃね?
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導師の空中バックステップによって空振りに終わる。
だが、ここまでは俺の予想通り。
問題はここからだ。
「はあぁっ!!」
魔導師はやはり少しバテていたのだろう、低下した気力を奮起するために声を張り上げ、持っていた得物の鎌を振り上げると一気に間合いを詰めて振り下ろした。
ここも俺の思った通りだ。
俺は突き出したアイアン・ウィルを力いっぱい引き寄せると左下段に構えなおす。
その刹那、俺の肩に再び強い衝撃が走った。
シールドで受け止められているとは言えかなり痛い。
気を抜くと肩がバラバラになりそうな衝撃だが、それもこれで終わりだ。
ここまで全て俺の予測通り、俺は思わずニヤっと笑みを浮かべるとアイアン・ウィルにこう言った。
「モード変更!切断フォーム!!」
《よしきた!カッターモード、変ッ形ッ!!》
俺の持っていたアイアン・ウィルが復唱すると、ガコンと音を立て変形を始めた。
先端部の杭が引っ込み、覆っていたカバーが分解するとクルンと裏返るかのように他の部品に変化する。
魔導エンジンだけを取り残し、機関部と外装が削岩機よりもスマートな印象を受けるフォルムに変形すると、先端部に逆さUの字のような板状のパーツが組み付きその周囲から無数の銀色の魔力で出来た刃が形成された。
こっちの世界で言う「チェーンソー」に良く似た形に変化したコイツは、切断に特化したアイアン・ウィルの別モード。
通称『切断フォーム』である。
「だっしゃぁあああ!!」
《ぶるあぁぁぁ!!!!》
肉を切らせて骨を絶つ。
俺は魔導エンジンのスロットルを思い切り絞ると「ヴォオオオオオン!!」と言う喧しい咆哮を上げたそれを逆袈裟切りで一気に振り上げた。
「!!」
黒い魔導師がそれに気が付いた時にはもう遅い。
高速で循環する銀色の魔力光が彼女のバリアをしっかりと捕らえ「ギャリギャリ」と音を立てながら左下から右上にかけ真っ二つに切断。
残ったのはバリアを発生させた本人である魔導師の女の子だけ、向こうのデバイスは今も尚俺の肩のシールドにガッチリせき止められている。
こうなりゃもう終わり。
切り裂いたバリア越しに驚いた顔をする赤い目の女の子の姿。
俺はアイアン・ウィルを掴んでいた右の方の手を離すと魔導師に向けて伸ばした。
後は引きずり出すなり、ぶん殴るなり、締めるなり振り回すなり、止めの技は何でもOKだ。
……だが、どうしよう。
とんでもない問題がたった今発生した。
当初は高町さんが落とされたのを見て頭に血が上っていて何も考えていなかったが、今こうやって勝利も目前となった現在、冷静になって考えてみると……。
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