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戦国†恋姫〜黒衣の人間宿神〜
四章 幕間劇
事後処理×人間の選択×道
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なるかと言ったら別にそうではないらしい。詩乃の性格でもあるが、あの三人も龍興を何とかしたいと思う気持ちは一緒だったが、それほど仲がいいって訳ではないそうだ。それと見ている先も違ったそうだ、詩乃が稲葉山城を落とした頃に久遠が城を売れと言った事があったが、詩乃は斉藤家の臣であったがために断ったがあの三人は違った。

「それ以上は言うな。辛いんだろう?」

言いながら、詩乃の手を握る。冷たい手であったが、拒む事もなく握った。

「別に辛くはありません。あの時の言葉の端々からも三人の気持ちは感じ取れました。龍興に城を返した時など、龍興の表情も西美濃の三人も・・・・本当に見物でした」

「まあそうだろうな、それに城を返したとしてもこの先の事は変わらなかっただろう」

「はい。行きたい所があるのですがいいですか?」

と言ってきたので俺は頷いてから、歩き出した。そして少し山道になったところ所で止まった。

「ここは、・・・・龍興の追っ手から逃げた時の道か」

「はい。城を返した後、龍興がどう動くかは予想していましたが、あれほど早く飛騨を差し向けるとは思っていませんでした」

「そうだな。もう少し遅かったらどうなっていたか・・・・」

「一真様は一度清州に戻ったのでしょう?なぜ、あそこまで早く美濃まで?」

「予想はしていたさ、ああいう小物は妙な所に気合を入れるからな。あの龍興の腰巾着だったから」

「全くです。あと少し一真様が辿り着くのが遅かったら、私はここで命運尽き果てていたでしょう」

まあその通りなんだが、死んだとしても死者蘇生で蘇らせる事ができる。近くまで寄ったら、まだあの時の跡が残っていた。血痕はさすがにないが、俺の銃の痕跡はあった。

「そういえばあの鉄砲はなぜあのような方法で倒したのです?」

「鉄砲を持つ者より鉄砲を暴発した方がいいと判断したまでだ。それにあちらの銃口とこちらの弾の大きさがちょうど良い大きさだった」

「その判断はよかったと思います。その知識があったこそ、私は助かったのではないかと思います」

詩乃の手を握ってると強くなってきた。まるで悲しんでるような気がして。

「詩乃、泣いていいんだぞ。人は泣いた後は強くなれるんだと俺は思う。今は誰も見ていないから」

「私は・・・・ひっく・・・・泣いてなど、怖がってもいません」

「今のは独り言だと思えばいい」

「私が稲葉山城を落とした時点で、時勢が動き出すのは分かっていたのです。城を返しても、龍興は何も理解しないだろう事も・・・・不興を買っただけの私が龍興に討たれるだろう事も。そして・・・・それらの動きを見て、織田が国譲り状を盾に、動き出すだろう事も。それは全て分かっていた・・・・覚悟していたのに。私は死ぬどころ
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