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Cross Ballade
第3部:学祭2日目
最終話『交差譚詩曲(クロスバラード)』
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そっか……よかったな」
「気遣いありがとう。秋山さん」
「そう言えば、澪さん」言葉が澪の方に向き直り、「実は澪さんのファンクラブに入ったんで、今朝曽我部さんに挨拶してきたんですけれど、よろしくと言っていました」
「そうか……。曽我部先輩もファンが増えるのはうれしいと言っていたしな」
「秋山さん? ファンクラブ?」
「あ、そうか、マコちゃんには話してなかったっけ。澪ちゃんにはあるんだよ、桜ケ丘にファンクラブが。
桂さんも入ったとなると、よりにぎやかになるかも」
 訳のわからない誠に対して、唯がにこやかに説明する。
「じゃあ俺も、入ってみようかな……」
「いや、初めての男になっちゃうから、みんな緊張しちゃうかもよー」
 誠が興味を示すと、唯は嬉しそうに冷やかす。
 中央広場に、4人の笑い声が響いた。

 図書館でおのおの好きな本を借りて、皆外に出る。
 噴水は相変わらずライティングを帯びて盛んに沸いているが、アベックは少なくなったようだ。
 唯は誠の隣で歩きながら、鼻歌を歌う。
♪でもね 会えたよ 素敵な 天使に♪
 思いがけずわいたフレーズを口ずさむ唯に、誠は、
「何その曲?」
 小声で話しかける。
「あ、これ……」唯は思わず顔を赤らめ、「ふいと思い浮かんだ歌のフレーズなんだけど、まだまだ固まってない。大丈夫。気にしなくていいから」
「そうなの?」
「おいおい、その歌私も始めて聞いたぞ」
「『天使』って、ちょっとベターなフレーズですね」
 誠だけに話したつもりだったが、澪と言葉も耳ざとく聞いていた。
「澪ちゃんも桂さんも首突っ込まないでよ、マコちゃんだけに話したつもりだったのに」
 くすくすと笑う澪と言葉につられ、唯と誠も思わず笑顔を見せる。
 気がつくと、4人で笑いあっていた。
「そうそう、実はね……詞・曲ともにまとめたものがあるの。……聞いてみたい?」
「唯ちゃんの作った曲ならば、何でも」
 顔を赤らめて話す唯に、誠はくっくと笑いながら応答する。
 唯はギー太を取り出し、噴水の近くのベンチに座った。
「桜ケ丘の学祭で演奏する予定なんだけどね。言っとくけど、聴いていいのはマコちゃんだけ」
「「「は!?」」」
「冗談冗談。みんなに聞かせるから、聞いてね。名付けて『クロス・バラード』!」
「そっか……。たのしみだなあ……」
 誠は思わず、唯に向って、彼女に負けないぐらいの笑みを見せる。
 3人が見守る中で、唯は指輪越しに誠を一瞬見つめる。
「それ、唯ちゃんによく似合うね」
 すると誠が、満面の笑顔で言ってくる。
「マコちゃんの作ったものだから、似合うんだよ」
 唯も負けず劣らずの愛嬌のある笑顔で、答えた。
(マコちゃん……)(唯ちゃん……)
((大好きだよ……!!))
 そし
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