第十一章 追憶の二重奏
第三話 決心と決意
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体を押し付ける獣たちを、ルイズはギッ! と噛み砕かんばかりに睨みつけた。傍若無人にルイズたちの身体を弄んでいた獣たちが、その視線に怯え身体を硬くする。
「―――い・い・か・げ・ん・にッ!! しなさぁぁああいいいッ!!?」
フンッ! と腹筋に力を込め、勢いよく身体を起き上がらせたルイズは、上に跨る獣の鼻面に自身の額を叩きつけた。悲鳴を上げ仰け反る獣を、仰向けの状態のままルイズはベッド下に蹴り落とす。自由になると素早くベッドの上に立ち上がったルイズは、アンリエッタの上に跨っていた別の獣の横腹を蹴りつけ同じようにベッド下に落とし、直ぐさまもしもの為に置いていた乗馬用の鞭を枕の下から引きずり出した。
何が起きているのか目まぐるしく変わる状況に目を回すアンリエッタを尻目に、ルイズはベッドに鞭を叩きつけると、どこぞの女王様の如く声を張り上げた。
「何であんたたちがこんなところにいるかは知らないけどっ、わたしはちい姉さまみたいに甘くはないわよっ!! 姫さまとわたしに対する無礼っ、その身を持って償いなさいッ!!」
全身の毛を逆立てて身を竦ませる眼下の獣たちを睨めつけるルイズ。
再度ベッド端に鞭を叩きつけたルイズは、眼前に広がる部屋を占領した獣たちを見下ろす。
犬、猫、猿、熊、豚等々数十種類の動物を睨みつけ、ルイズは叫ぶ。
「鳴いて許しを請いなさいッ!!!」
鞭が唸り弾ける音と、獣たちの魂消る悲鳴が上がる中、ルイズの艶を帯びた哄笑が響き渡り。夜が耽け夜の闇に高らかなルイズの声が広がっていく。
自分たちが何をしようとしていたか、何処へ行こうとしていたのかをすっかり忘れたルイズの声と鞭の音は、ルイズが疲れて眠ってしまうまでの長い闡アくこととなった。
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