第十一章 追憶の二重奏
第三話 決心と決意
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う。自分も同じだ。彼女に惹かれている。だが、自分はそれに流されてはいけないとも自覚している。なのに、何時もそれなのに意志に反して意思はそんな彼女たちの想いに応えようとする。
否定し、拒否しようするが、最後は何時も負けてしまう。
分かっているはずなのに。
自分が彼女たちに相応しくないということを。
その想いに応えられるほどの幸せを与えることが出来ないということを……。
なのに、彼女たちの求めに応じてしまう。
想いに流されてしまう……。
それでも……。
やはり、最後は自分の決断だ。
流されるままではない。
流されるままに、その想いに答えることだけは、決していしない。
してはいけない
だから、必ず触れる前に決断する。
自分で望んで触れることを。
誓いを新たに刻む。
触れる彼女が、何時か後悔することにないようにと。
己に誓う。
決断し、誓い、そして……。
これがただの言い訳でしかないことを自覚はしている。
だが、それでも流されるままではないと己に言えるように、今もまた、自分で望んで手を伸ばす。誰でもない、自分が彼女を欲しいと想い伸ばすのだ。
「―――っぁ」
微かな戸惑いと、若干な不安、そして大きな期待を含んだ濡れ揺れる声が耳に触れた瞬間、
「―――っ」
流れ込んでくる愛しいという想いが自分の中の彼女への想いと混ざり合い、身体と心が急激に膨れ上がる想いと欲望に駆られる。
最後の最後。
欠片の理性に浮かんだのは、やはり何時もの如く。
―――ああ、全く本当にどうしようもない男だな……俺って奴は……。
そんな自嘲めいたものだった。
扉が内側に向け破壊された部屋の中に、濡れて湿った音が響き。舐る音と共に、くぐもった押し殺した低い声が混じっている。喉の奥から響く声が、女の拒否の声を抑えていた。大きく揺れ動くベッドの上には、幾つもの黒い影が二人の女の上に跨っていた。ベッドに押さえつけられた女たちは、自分の上にのしかかる獣たちを引き離そうとするが、相手の力は強く、ビクともしない。獣たちは生暖かい荒い息を吐き、粘性の高い唾液を女たちの身体に擦り付ける。
「―――っ」
「っぁ、ぅ」
悲鳴を押し殺したような声を喉奥で鳴らす二人は、何とか逃げ出そうとするが、ただベッドの軋む音を立てるだけしか出来ないでいた。獣たちは荒々しくルイズたちの身体に置いた手に力を込める。
「「―――ッッ!!?」」
二人の耳に、布が裂ける音が触れた。ビクリと二人の身体が震え、瞳が大きく見開かれる。
燃えるように熱い身
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