暁 〜小説投稿サイト〜
dark of exorcist 〜穢れた聖職者〜
第9話「風の悪魔」
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アルの言った通り沈黙していた。
アイリスとキリシマの2人は違った。

「………………………悪魔が俺に指図するな。…………殺すぞ」

キリシマは、日本刀をベリアルの首に向けた。
キリシマの眼は、フォカロルにも負けないほどの殺意に溢れていた。
下手な真似をすれば殺す、という意思が表れていた。

「ちょっと待って、キリシマ君。ベリアルさん、あの人と話をさせて」

アイリスがベリアルを押し退け、フォカロルの前に立つ。

「おい、待て! お前がそいつを倒すのは無理だ!」

「ううん、倒さないよ。ちょっと話したいだけだから」

そう言うと、アイリスはフォカロルの目の前まで歩み寄った。
アイリスの命知らずな行動に、クリスとアリシアはこれまでになく驚愕した。

「アイさん! 離れて下さい!!」

「アイリスちゃん!! 離れて!!」



アイリスを目の前に、フォカロルは苛立たしい表情を浮かべる。

「………なんだお前は………塵が俺の前に立つな……!」

凄まじい殺意を含んだ眼にも怯まず、アイリスは自分の言いたいことをフォカロルに伝える。


「……………………クリス君に、謝って」


「……………………………………………………は?」


アイリスの言葉に、その場にいた全員が一瞬呆けた。

「……………何を言っている?」

「クリス君のことを"穢れ"って言ったこと………謝って」


アイリスの言葉に、クリスは驚いた。

「アイさん?」


しかし、フォカロルはアイリスの言葉を笑った。

「ふん、そこの屑は我らを侮辱する穢れだ。穢れに穢れと言って何が悪い?」


「クリス君は"穢れ"なんかじゃないっ!!」



普段のアイリスからは想像がつかないような叫びが周囲に響いた。

「クリス君は私を"外の世界"に連れ出してくれた……嫌われてた私と一緒にいてくれた……
そんな……誰よりも優しいクリス君を………"穢れ"なんて呼ぶのは許さない!!」


「アイさん………」



「…………穢れを庇う貴様も穢れか………」



フォカロルは殺意を膨らませ、怒りのままに風を操作し始めた。

「……………もう、いいだろう」

アイリスは、キリシマによってフォカロルから遠ざけられた。








戦いが始まる。
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