第九十九話 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
[5/5]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
威力自体も高いのだ。特に、メガビームライフルなどは迂闊に正面からビームシールドで受け止めれば貫かれてしまうことだろう。
『貰った!』
とはいえただ手を拱いているだけではない。マーレが正面から仕掛けるのに合わせ、ルドルフのギャンクリーガーによるシールドミサイルがナイチンゲールに攻撃を仕掛ける。格闘特化のギャンクリーガーの射撃武装は無いよりはまし程度のものでしかないが、支援攻撃としてはその役割を十分に果たした。
「これで!」
『なるほど……中々やる!』
ナギナタを横に振るう。その攻撃を議長はシールドで受け止め、ビームトマホークで切り裂こうとした。だが、その攻撃をマーレはビームシールドで受け流す。ルドルフがそこに狙いを付けて貫こうとするが、議長はそれをドラグーンで牽制して動きを押さえた。
『攻撃を受け流したか!』
「その位できなきゃ相手にならねえんだろ!!」
真っ向から防いだのでは断ち切られると判断したからこそ流した。そのまま隠し腕によるビームサーベルの追撃を察知したマーレは、シールドにぶつけていたナギナタを逆に回して持ち手の部分でビームサーベルを防ぐ。
「まだだァ!」
まだ油断はできない。防いだと思わせたその一瞬を狙って、更なる追撃を行ってくるとマーレは予測し、右足で蹴りを入れる。しかし、その動作は隠し腕によって止められてしまい、腹部の拡散ビーム砲がマーレを撃ち抜こうとする。
「今だ、やれ!」
『なんだと!?』
ここで初めて議長が驚愕する。後ろからギャンクリーガーがビームランスで攻撃を仕掛けてきたのだ。ドラグーンによって動きを止められていたはず――――そう思って議長はギャンクリーガーの方に向いて理解する。
『半身を犠牲にしたか!』
ルドルフはあえて攻撃を躱すのではなくシールドを持っていた左腕と左足を犠牲にして突っ込んできたのだ。捨て身のその攻撃はまさに必殺の一撃かの如く的であるナイチンゲールを貫こうとする。
『恨んでくれるな、我が戦友よォ!!』
「勝ったら恨まねえさ!」
ナイチンゲールを貫こうとするその先にはマーレのゲルググもあるが、マーレ自身が攻撃しろと言い切った。ルドルフもマーレも二人が掛かりでの捨て身の攻防――――隠し腕も、拡散ビーム砲もドラグーンも議長の隠していた札は総て出し切った。否、出させ切ったのだ。
二人の決死の覚悟がその刃を敵の喉元へと突き立てる。そうして穿たれたビームランスの一撃。果たして、結果は――――――
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ