第九十九話 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
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クのガルバルディβだ。マーレもアレックも共にビームを放つのだが、敵のナイチンゲールには翳めもしない。圧倒的とも言える加速に見失いそうになりながらも追いかけるが、距離を詰めることすら許されなかった。
『このガルバルディとて決して機動力が劣っているわけではないというのに……』
軽量機であるガルバルディβは装備さえ外せば数多く存在している機体の中でも相当軽い機体だ。そして出力も他の機体と比べて決して低いわけではない。にも関わらず敵との距離を詰める事が出来ない。だが、彼らとてただで追いかけていたわけではない。
「そっちに行ったぞ!」
『任せたまえ!!』
そう言ってナイチンゲールの移動していたルート上に現れたのはルドルフのギャンクリーガーである。金色塗装などの無駄に多い装甲やシステムなどのせいで、他の二機に比べ機動力に若干劣るルドルフの機体はマーレやアレックの機体に追随することが出来ないでいた。
だからこそと言うべきか、金色装甲によってミラージュコロイドの探知など索敵能力の高いギャンクリーガーは先行してルートを絞り、先回りしたのだ(無論、マーレやアレックが追跡してこそ移動するルートを絞り込めたのだが)。
『これで!』
『その程度ではな』
正面から相対したギャンクリーガーは放たれたナイチンゲールのメガビームライフルをシールドで受け流し、ランスで貫こうとする。
しかし、相手が悪い。いかに高出力のビームランスであっても、それをあっさりと躱す議長の腕のせいか、有効打を与えることは出来ず、逆に隠し腕のビームサーベルに斬りかかられる。
『ヌォ!?』
情けない叫び声を上げつつ、ルドルフは寸での所で致命傷を避けた。しかし、それでも機体のスカート部に大きく傷をつけられてしまう。
「よし、よく堪えた!」
だが、ルドルフのその攻防はマーレとアレックが議長に近づくまでに十分な時間を稼いでみせた。各機は議長を逃さない為に、Yの字のように議長を取り囲む。
『なるほど、単純だが実力が兼ね備わっている分、有効だな。だが――――』
アレックとルドルフの実力は機体の性能を含め、高く見積もっても劾と同等程度であり、その劾を僅かな時間で撃墜したのは議長自身である。つまり、何が言いたいかといえば――――
『今の私を相手取るにはそれではまだ足りん!』
二人では相手にならないという事である。マーレだけはニュータイプとしての覚醒からか、難を逃れるがアレックとルドルフの機体は腹部の拡散ビームによる攻撃やビームトマホークによって手痛い反撃を受けてしまった。
『おのれ!?』
『ば、馬鹿な!この僕がぁ!?』
しかし、腐っても鯛というべきか。いや、彼ら自身優秀なパイロットであることは覆しようのない事実なのだろ
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