第九十九話 身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ
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ていた者は全員が驚愕する。敵味方としての区別をこれまでハッキリとしなかったミネルバ側のザフトは今、アークエンジェルが協力する条件で味方と認識すると言ったのだ。
『……わかりました。貴官の申し入れ感謝いたします。たとえこの一時となってしまうかもしれない協力関係であったとしても、貴艦等との共闘関係を快く思います。これより我が艦はミネルバの指揮下に入ります!』
マリューとしてもネオという存在なども含めて色々と思考が混乱していたが、この申し出を受け入れない理由はない。彼らミネルバの陣営が前大戦の連合やザフトの様に、何かしらの悪意ある兵器(彼らにとっては核やジェネシス、レクイエムの事)を持って行動したのであれば受け入れられなかったかもしれないが、今のアークエンジェルとミネルバの目指す立ち位置は似たものだとマリューは判断した。
『なるほど……そう来るんだ?人情があるだけでありきたりな艦長だと思っていたけど、中々柔軟な思考も持っているようで……』
タリアとマリュー。両艦長の判断にクラウは思わず称賛したくなる。ある程度の秘匿しかしていない通信などクラウにとってはいくらでも傍受は容易いものだ。そうやってミネルバの近くで戦闘していたことからか、ようやくというべきかもしれないが、ミネルバはクラウの乗るゲルググを発見した。
「あの機体は……」
「ゲルググタイプのようです。ですが、A型やS型と酷似しているものの、どの機体にも既存のものとはデータが一致しません」
アーサーのつぶやきに索敵担当のバート・ハイムが応える。
「各員に警戒するように伝えて……あのカラーリングからして敵はクラウよ」
「えェ!」
『さて、どう動くのが一番いいかな……』
ストライクフリーダム等を相手にしていたクラウはそんな風に呟きながら戦闘を続けていく。
◇
巻き起こる閃光。その光の筋によって貫かれていくMSや艦隊。そうやって散っていった味方は数知れず。多くの者は目の前で起きたにもかかわらず、この出来事が信じられずにいた。
『こ、これをたった一機のMSが成したというのか……』
多くの散った艦隊やMSが破壊されるという惨劇は、たった一機のMSに引き起こされたものだ。赤い大型のその機体を見たのは一瞬だった。火線をまるで何事もなかったかのように掻い潜り、すれ違いざまに凶弾を撃ちこんだ。
たったそれだけで次々と落とされていくのだから、運良く生き残った他の味方部隊もやられたことを信じられずにいた。まだ、幽霊や死神が襲ってきたとでも言われた方が納得できるといった風に呆けた顔をしている者もいる。
「クソ、これ以上好き勝手にやられて堪るかっていうんだ!」
それに遅れて追っていたのはマーレのRFゲルググ、そしてアレッ
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