暁 〜小説投稿サイト〜
鉄槌と清風
72部分:70:結婚式
[2/3]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
笑い返し、頷く…そろそろ時間になるのだ、ザフィーラが人間形態になり、マントを持ってくれる。

 「後を向け、我がつけよう」

 「頼むわ」

 そういって、マントを良彦に付けさせ、送り出す。
 良彦は長い道を通り、聖王教会の礼拝所…今は式場だ…へと向かう。

 ゆっくりと歩き、扉にたどり着く…この先は、式場、既に皆が待っているだろう。
 扉を開け、踏み込む…式に招待したのはそれほど多くはない、先ほどの男性陣に、高町家一同、八神家一同、ハラオウン家一同、六課新人フォワードの女性陣に、ロングアーチのシャーリー、ルキノ、アルト。
 地球からアリサ、すずか…そして、当然セプトだ。

 皆が椅子に座り、楽団と合唱隊…セントヒルデの学生だろうか、子供達だ…が、音楽を奏で聖歌を歌うなか、良彦は真ん中へ歩み出る。
 反対の扉が開き、純白の古風なドレス、長い梳けるようなヴェール…これは赤…に身を包んだヴィータが、はやての手を引かれ歩いてくる。

 普段は三つ編みか、解いているだけの髪はしっかりと結い上げられ、綺麗なうなじが見える。
 真ん中ではやてからヴィータの手を預かり、共に聖王の像の前へと歩みを勧める。

 聖王教会の神父が、聖句を述べ、それぞれの思いを確認し、誓いの言葉を聞き届けると、二人に指輪を渡し、お互いに付けさせる…此処はカリムに頼んで地球の結婚指輪のくだりを入れてもらった。
 そして、指輪の交換後…良彦がヴェールを持ち上げて、ゆっくりと、でもしっかりとキスを交わしていく。

 皆の拍手が響き、神父の宣誓が行われ、式は終了する。
 二人そろって、出口の方へと歩く、隣で一緒に歩くヴィータへ良彦が

 「この先も、色々あるだろうけど、よろしくな、ヴィータ」

 「あたしにはいいけど、他の人に迷惑かけんなよ、良彦」

 ぎゅっと手を握りながら、その言葉に苦笑する良彦。
 そのまま、後は静かに…周りからはお祝いの言葉や花吹雪などが投げかけられ、教会の扉をくぐり、少し行った所で振り向く。

 「おっし、ヴィータ…レディセット!」

 「おう、任せろ!」

 突然良彦が叫び、ヴィータもノリノリで、ブーケを構える。
 辺りの皆は吃驚して反応が遅れる、そこへ。

 「ブーケ、トス!」

 「ゴー!」

 思い切り上に向かって投げられるブーケ、しかもしっかり身体強化魔法使用のそれは、高く上がり…落ちてくるまで暫く掛かった。
 だれが取ったかは、まぁ…秘密という事で。

 「良彦君も、ヴィータもいつたくらんだんや、あんな事」

 と、その後はやてに聞かれるのだが、二人は

 「何となくあの場で思いついた」

 「良彦が、イイ笑顔うかべたから、ああした」

 と、あれが即興だった
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ