暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
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ら距離をとります。

「くだらない嫉妬で、こんな騒ぎを起こしたのですか?」

「く くだらないじゃと。そもそも主が浮気などせねば……騎獣なら吾を使えば済むであろう!!」

(浮気……浮気ですか。何を言っているのでしょうか? このバカ猫は)

 私の堪忍袋の緒が、ミシミシ音を立てているのが分かります。

「何が浮気ですか!! 《変化》する時は、人に見られる訳には行かないのですから、ティアはリスクが高すぎて騎獣に使えません。それとも、出先で騎獣舎に預けましょうか?」

「使えない!? ……獣舎など嫌に決まっておろう!!」

「落ち着け。ギルバート」「兄様」

 オイルーンとアナスタシアが口を挟みましたが、完全にヒートアップした私とティアには届きません。私とティアの口汚い言い争いは、止まるどころか更に激しさを増して行きます。そこでオイルーンは、大きく息を吸い……。

「落ち着け!! ギルバート・アストレア(・・・・・)・ド・ドリュアス!!」

 龍の咆哮と比べれば、あまりに小さな声ですが、それは確実に人間が出せる音量を超えていました。私とティアの言い争いが、瞬間的に止まります。ティアは「邪魔だ!!」と言わんばかりに、オイルーンを睨みつけました。そしてこの時に私は、相当キていたんだと思います。

「アストレア?」

 私がそう呟いたのが聞こえたのでしょう、アナスタシアはガルム舎から逃げ出します。

「そう言えば女名だったの。だから主は女々しいのじゃ」

 この言葉で私の最後の良心は吹き飛びました。後はトリガーを引くだけで、文字通り大爆発を起こします。

 外から「アナスタシア!! 中で何があった!!」と、父上の声が聞こえました。龍の咆哮を聞きつけ、駆けつけてくれたのでしょう。

 それに対しアナスタシアは「兄様がキレた!!」と、短く返答します。

 それを受けた父上は「ッ!! 総員退避!!」と、叫んでいました。部下達から困惑の声が上がっていましたが、父上はそれをねじ伏せ、建物の陰に隠れるよう指示する声が聞こえました。

「如何した? 言い返せぬのか? だから女々しいのじゃ。……アストレア!!」

 はい。トリガーが引かれました。私は杖を抜き……。

 ガルム舎が消し飛びました。トライアングルメイジが、全精神力を込めると洒落になりません。

 キレると水素爆発ばかり使うのは、私はルイズと同類と言う事なのでしょうか? ……爆弾魔(ボマー)か、不名誉な渾名です。

 その後青空の下で、私、ティア、オイルーンは座らされ(当然私は正座)5時間ほど説教されました。同じ内容がループする説教(しかも、説教する側は交代制)に、私は涙を禁じ得ませんでした。更にオイルーンからも、一族(ガルム)
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