暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
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ル。私が感極まって泣いちゃったりしたから……」
カトレアが小さな声で、私に伝えて来ました。
(……そう言う事ですか。良かった)
それに風系統メイジには、今のカトレアの声が聞こえていた様です。私に向けられるプレッシャーが、一気に減りました。視線を向けると、風系統メイジが全員オロオロしています。特にカリーヌ様の挙動不審振りが酷いです。
(しかし、これで公爵に殴られたのは二度目ですね。私怨の次は、勘違いですか……。勘弁して欲しいです)
視線を戻しカトレアと目が合うと、……物凄く怖いです。
「私怨? 二度目?」
カトレアはそう呟くと、私の手をとりました。記憶を吸い出されましたね。
「……ギル」
(本気で怖いから、その目を止めてください。それと、公爵に仕返しするつもりですか?)
コクン。 カトレアが僅かに頷きました。
(たしかに少しぐらい痛い目に合わせたいですね)
フルフル。カトレアは何故か首を横に振ります。そしてカトレアの目は、手加減無く思い切りヤレと言っていました。……怖いです。物凄く怖いです。生半可な事をしたら、怒りがこちらを向きそうです。
まあ、公爵にはカトレア方面の恨みがありますから……丁度良い機会か?
意識が戻らない振りをして暫く考えると、良さそうな子芝居を思いつきました。
(……カトレア。悲劇のヒロインに興味はありますか?)
カトレアは皆から見えないのを良い事に、とても良い笑顔で頷きました。
「うぅ……いったい何が……」
今意識を取り戻した振りをして、立ち上がろうとします。しかし、公爵の一撃が足にきていて、上手く立ち上がれません。見かねたカトレアに手伝ってもらい、何とか立ち上がりました。
(ありがとうございます。少しの間支えて居てくれませんか?)
コクン。
「確か、カトレアと結婚の話をしていて……」
“朦朧とした意識の中で思い出す”を意識し、言葉を口にします。そして、その言葉を“許せない”と感じ、感情をあらわにする人は公爵のみです。
「誰が貴様などに!! 家の可愛い娘をやれるか!! ふざけるな!!」
激昂した公爵は、口汚い言葉を次々に発します。父上に羽交い絞めにされていなければ、もう一発殴られていますね。
「公爵は結婚や婚約に反対なのですか?」
私は念を押す様に公爵に語りかけました。
「当たり前だ!! 絶対に認めん!!」
はい。公爵の出番はここで終了です。後はカトレアと私の2人芝居です。カトレアに支えてもらうのを止め、一歩引いて向かい合います。
「カトレア。公爵にここまで反対されては、私達はもう……」
「そんな…… ギル」
カトレアが目に涙
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