暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第38話 騎獣とティアとカトレア 女って怖い
[15/18]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ル。私が感極まって泣いちゃったりしたから……」

 カトレアが小さな声で、私に伝えて来ました。

(……そう言う事ですか。良かった)

 それに風系統メイジには、今のカトレアの声が聞こえていた様です。私に向けられるプレッシャーが、一気に減りました。視線を向けると、風系統メイジが全員オロオロしています。特にカリーヌ様の挙動不審振りが酷いです。

(しかし、これで公爵に殴られたのは二度目ですね。私怨の次は、勘違いですか……。勘弁して欲しいです)

 視線を戻しカトレアと目が合うと、……物凄く怖いです。

「私怨? 二度目?」

 カトレアはそう呟くと、私の手をとりました。記憶を吸い出されましたね。

「……ギル」

(本気で怖いから、その目を止めてください。それと、公爵に仕返しするつもりですか?)

 コクン。 カトレアが僅かに頷きました。

(たしかに少しぐらい痛い目に合わせたいですね)

 フルフル。カトレアは何故か首を横に振ります。そしてカトレアの目は、手加減無く思い切りヤレと言っていました。……怖いです。物凄く怖いです。生半可な事をしたら、怒りがこちらを向きそうです。

 まあ、公爵にはカトレア方面の恨みがありますから……丁度良い機会か?

 意識が戻らない振りをして暫く考えると、良さそうな子芝居を思いつきました。

(……カトレア。悲劇のヒロインに興味はありますか?)

 カトレアは皆から見えないのを良い事に、とても良い笑顔で頷きました。

「うぅ……いったい何が……」

 今意識を取り戻した振りをして、立ち上がろうとします。しかし、公爵の一撃が足にきていて、上手く立ち上がれません。見かねたカトレアに手伝ってもらい、何とか立ち上がりました。

(ありがとうございます。少しの間支えて居てくれませんか?)

 コクン。

「確か、カトレアと結婚の話をしていて……」

 “朦朧とした意識の中で思い出す”を意識し、言葉を口にします。そして、その言葉を“許せない”と感じ、感情をあらわにする人は公爵のみです。

「誰が貴様などに!! 家の可愛い娘をやれるか!! ふざけるな!!」

 激昂した公爵は、口汚い言葉を次々に発します。父上に羽交い絞めにされていなければ、もう一発殴られていますね。

「公爵は結婚や婚約に反対なのですか?」

 私は念を押す様に公爵に語りかけました。

「当たり前だ!! 絶対に認めん!!」

 はい。公爵の出番はここで終了です。後はカトレアと私の2人芝居です。カトレアに支えてもらうのを止め、一歩引いて向かい合います。

「カトレア。公爵にここまで反対されては、私達はもう……」

「そんな…… ギル」

 カトレアが目に涙
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ