第二幕その八
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「お願いだからね」
「そう言うけれど私は山猫よ。山猫は鼠を食べるものよ」
「お魚にしなさい」
「お魚は好きじゃないのよ」
どうやらこの山猫は偏食家みたいです、山猫も猫なのでお魚は好きな筈ですがそっちは食べたくないというのですから。
「だからね」
「鼠だっていうのね」
「そう、頂くわ」
「いやいや、君は鼠を食べなくていいんだよ」
ここでかかしが山猫にこう言いました、山猫の方に顔を向けてです。
「全くね」
「あら、山猫なのに?」
「そうだよ、今じゃキャットフードというものがあるからね」
「キャットフードってあの」
「猫の御飯さ、最近はそれが出て来る洞窟もあるから」
「そこに行って食べればいいのね」
「じゃあ君は鼠だけしか食べられないのかい?」
かかしは山猫にこうも尋ねました、
「それだったら僕も別のアイディアを出すけれど」
「鼠でなくてもいいわよ」
山猫はかかしの顔を見上げて答えました。
「別にね」
「そうだよね、じゃあね」
「これからはキャットフードを食べるわ」
「ここから少し行った山の麓にあるから」
「そのキャットフードがある洞窟がなのね」
「そこに行って食べるんだよ」
「わかったわ、それじゃあね」
山猫はかかしの言葉に頷きました、こうして鼠は食べらえなくなりました。鼠の女王もこのことにはほっとしてかかしに言うのでした。
「有り難うね、助かったよ」
「いやいや、こうすれば皆幸せだからね」
「最近はそういうのもあるんだね」
「キャットフードだね」
「猫の御飯は私達だけじゃなくなったのね」
「色々出来てるんだよ、今は」
かかしは鼠の女王にもお話します。
「キャットフードの他にも缶詰とかもね」
「缶詰?あの硬い鉄の缶の中に食べものが一杯詰まってる」
「そういうのもあるんだよ」
「それは洞窟にあるのかしら」
「そっちは木に実って出て来るんだ」
「そうなのね」
「そこを開けても食べるものがあるんだよ」
かかしは鼠の女王に顔を向けてお話します、今度は。
「今はね」
「そうなのね、じゃあ私達の食べる缶詰もあるのね」
「あるよ、君達も食べればいいよ」
「そうするわね、世の中変わるのね」
「オズの国もね。ただこの国はいいものはそのままでね」
そのまま残ってだというのです、いいものは。
「さらにいいものが出て来るんだ」
「だからキャットフードの洞窟とか缶詰の木もですね」
「そう、出て来るんだ」
かかしは神宝にお話します。
「そうなんだよ」
「成程、じゃあ僕達も缶詰の木を見つけて開ければいいね」
「缶切りは必要ですか?」
ジョージは缶詰には欠かせないこの道具のことを尋ねました。
「それは」
「缶詰の木に一緒に出ているよ」
かかしはジョージに
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