第二幕その七
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「王室の歴史編纂室の室長さんで他にも色々な役職を持っている人だよ」
「あの人もですか」
「エメラルドの都におられんですか」
「今はね」
そこにいるというのです。
「アメリカからこっちに来たんだよ」
「そうなんですか」
「あの人が君達に僕達のことを教えてくれたんだね」
「ドロシーさんのことも」
「そうそう、最初にドロシーと会ったのがはじまりだったね」
「そうだったね」
かかしは木樵の言葉に頷きました。二人はこのマンチキンの国ではじめてドロシーと会った時のことを思い出してにこにことしています。
「僕はドロシーに畑から出してもらったよ」
「僕は関節のところに油をさしてもらってだったよ」
「それでドロシーと一緒に旅をして」
「それからずっと一緒だったね」
「その本でオズマ姫のことも教えてもらったんです」
恵梨香はオズマ姫についてもそうだったと言いました。
「オズマ姫は最初男の子でしたね」
「そう、実は女の子でね」
「オズの国の女王様だったんだよ」
「そのオズマ姫が戻ってからだよ」
「この国はさらによくなったんだよ」
「オズマ姫にも会えるんですよね、私達」
恵梨香は今からそのことが楽しみで仕方ありません、それでこれからのことを考えてとても楽しみに思っているのです。
だからです、今歩いている黄色い道もです。
「この道も歩いていて楽しいです」
「それは何よりだね、あたい達もね」
つぎはぎ娘は黄色い道をぽんぽんとステップを踏む様に歩いています、身体の中は綿なのでとても軽やかです、
「この道を歩くの好きなのよ」
「そうなんですね」
「色々な人にも会ったりするし」
「そうそう、この辺りだったかな」
ここで木樵はふと思い出したみたいに言いました。
「僕達が鼠の女王と会ったのは」
「そうだったと思うよ、ここがね」
「うん、山猫から助けてあげてね」
かかしとこうしたお話をしているとです、ここで。
一行にです、右手の茂みからこう声がしてきました。
「お久しぶり」
「おや、声をすれば」
「早速だね」
「元気そうだね」
かかしと木樵がその声に応えるとです、その右手にです。
一匹の鼠がいました、その鼠の頭には小さな王冠があります。その王冠を頭に戴いている鼠を見てでした。
神宝がです、かかしと木樵に尋ねました。
「この鼠がですね」
「そうだよ、鼠の女王様だよ」
「僕が助けたね」
「あの時は有り難う」
かかしと木樵が神宝に答えるとです、その鼠の女王が言ってきました。
「お陰で今も女王として鼠達と仲良くしているから」
「全く、あの時はびっくりしたよ」
今度は左手から声がしてきました、そこにはです。
山猫がいました、山猫はやれやれといった顔で木樵に言います。
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