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レインボークラウン
第九十八話

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               第九十八話  お母さんの好きなカレー
 華奈子と美奈子はまずは今度皆の晩御飯に自分達でカレーを作りたいと提案した、お母さんは二人に言われてこう答えた。
「そうね、一人一人なら不安だけれど」
「あたし達二人ならなのね」
「不安じゃないのね」
「ええ、二人ならね」
 二人揃っているのなら、というのだ。
「安心出来るから」
「じゃあいいのね、晩御飯にカレーを作っても」
「そうしてもいいのね」
「ええ、いいわよ」
 お母さんは二人ににこりと笑って答えた。
「じゃあお願いね」
「うん、それでお母さんはどんなカレーが好きなの?」
 ここでだ、華奈子はまだどんなカレーを作るのかを決めていなかったのでお母さんに実際に聞いてみた。
「色々なカレーがあるけれど」
「好きなカレーね、お母さんの」
「そう、何カレーが好きなの?」
「どんなカレーでも好きだけれど」
「その中でもお気に入りは?」
「シーフードカレーかしら」
 考えている顔でだ、お母さんは華奈子に答えた。
「一番好きというか今食べたいカレーはね」
「シーフードカレーなの」
「お母さん魚介類好きだし」 
 それにだとだ、お母さんは華奈子にさらに言う。
「あんた達も魚介類好きでしょ」
「好きっていうかね」
「私達何でも食べるわよね」
 二人はお互いに顔を見合わせてこう言った、華奈子も美奈子も今は嫌いなものはないのだ。ただ極端に脂っこいものは苦手だ。
「魚介類だってね」
「大好きだしね」
「お父さんも好きだしね」
 二人の父でありお母さんの夫であるその人もだというのだ。
「あんた達の使い魔の子達は何でも食べられるしね」
「うん、キャットフードとかドッグフードも好きだけれどね」
「皆カレーも食べるわ」
 二人の使い魔達は人間の食べものも食べる、それで大丈夫なのだ。
「熱いものも刺激の強いのもいいから」
「だからカレーもね」
「じゃあシーフードカレーよ」
「わかったわ、じゃあね」
「シーフードカレー作るね」
「味付けとか買う食材はあんた達に任せるわ」
 お母さんはこうしたところは二人に任せることにした、そうしたことを自分達で考えて決めて作るのも教育の一環だと思ってだ。
「じゃあいいわね」
「あれっ、私達で決めていいの」
「そういうところは」
「そう、期待してるわよ」
 笑顔でも言葉だった、そうして。
 二人はシーフードカレーを作ることになった、しかし決まったのはそれだけでその他のことはこれからだった。


第九十八話   完


                          2014・1・10
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