暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第67話 手料理と事の真相
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か、そうだったのか!」

 キリトのその声は、明らかに、何かに気がついたと言うモノ。
 さっき考えていた表情から答えが導き出された。そんな表情だと直感した。

「……わかったのか!? キリト。今回の事件。そのロジックが」

 リュウキがそう聞く。
 その声色、そして表情からよくわかる。真剣な表情をしているから。この世界において、キリトはいつもそう言う表情をする。
 攻略の時もそうだったからだ。長い付き合いになるリュウキにはよく解っていたのだ。

「ほんとっ? 何がわかったの?」

 レイナはリュウキの言葉を聞いて更にキリトに詰め寄るように聞いた。

「オレは、オレ達は……何も見えていなかった。見ているつもりで、何も見えていなかったんだ。違う、《違うもの》を見ていたんだ。」
「え……?」
「圏内殺人……そんなものを実現する武器もロジックも……最初から存在しなかったんだ」

 キリトのその言葉……それを聞いて、皆驚愕した。その恐ろしい方法をずっと考えていたんだ。
リュウキとキリトがあのローブのプレイヤーが幽霊なんかじゃない事を物的では無くとも納得のいく説明をしてくれた。だから、それ以外に方法があるってずっと思っていた。
 だが、キリトはそれが違う。根源から間違えていると覆したのだ。

「一体何を……っ」

 キリトに改めて聞こうとリュウキだったが、聞くのを止め考えた。否、考えを最初から改め直した。
方法が存在する。その先入観を捨てて、今の状況を思い出していた。

(キリトが地面に目を向けたのはなぜか……。それは、バケットサンドを落としてしまったからだ。でもそれは一瞬の事だ。そのバケットサンドが砕けて……飛び散ったとき。キリトはベンチから降り、地面を舐めるが如くにまで接近した。そう……食料が砕け……ッ!?)

 ある言葉に着目するリュウキ。それは、食料が砕けたと言う事。
 自分たちの目の前で耐久値が無くなって、青い硝子片となって四散したという事。あの程度の大きさの物だったから、小規模の物だったが、それが人間大の大きさであれば……?


「……ッ、そう、か。そう言う事……だったのか」


 リュウキの表情も一段階変化する……。

 事の真相。キリトが辿り着いたであろう答えにリュウキも辿り着いたからだった。





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