暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第67話 手料理と事の真相
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ウキの言葉の中にあった、転移結晶と言う言葉に反応し、キリトは何かに気がついたように呟いた。

「……何かに気がついたのか? キリト」

 キリトを見ていたリュウキがキリトにそう聞く。だが、キリトはまだ考えが纏まっていないようで、首を左右に振った。

「いや……何でも無い」

 そう言うと、キリトは再び考え込んだ。彼の中でまだ、ピースが足りていない……という感じだった。
 
 それは時間にして数分事。

「はい」
「どーぞっ!」

 レイナとアスナの2人が、まるでさっきのキリトとリュウキの様に示し合わせ、2人は其々に包みを差し出した。
 アスナがキリトに。リュウキがレイナに。

「?」
「くれるのか……?」

 リュウキは一瞬何かわからなかったようだが。キリトは、すぐに判ったようだった。アスナたちが何かを渡そうとしてくれていることに。

「……この状況だったらそうでしょう? それとも何? 見せびらかせているとでも?」

 アスナは少しムッとしていた。

「もーっ! お姉ちゃん? そんな風に言わないのっ。ちょっと戸惑ってるだけじゃん? キリト君は」

 レイナは角を立てているアスナに指を立たせてそう言う。

「あ……っ、まあそうだけど! とりあえず!! はいっ!」

 アスナは、はっとして、言葉を濁しとりあえず、再び差し出すように手を伸ばした。

「あ……ああ、お言葉に甘えて……」

 キリトは、恐縮しながらもそれを受け取る。

「うんっ。よしっ! ……で、リュウキ君も。 いつまで待たせるの? 腕がだるくなっちゃうよ。」

 レイナは、腕をプルプルとさせていた。
 ……だが、冷静に考えれば、SAOで、そんな事にはならないと思うのだが。確かに現実世界ではそうだろう。現実でのノリで話をしているのだろうとリュウキは思い、レイナから差し出された包を受け取った。

「……ああ。ありがとう」

 リュウキは少し戸惑いながら、それを見た。そして、その紫がかかった色の包み、それを開いて見ると。中には《バケットサンド》が入っていた。

「あっ、そうだ。そろそろ耐久値が切れて消滅しちゃうかもしれないから急いで食べた方が良いよ?」

 レイナが、注意事項を説明する。食べる前に消滅したりなんかすれば、最悪だ。それは作った人も、食べる人も。

「ん? ああ」
「わ……わかった」

 そして、2人は殆ど同時に。

「「頂きます」」

 軽く会釈を言って、口に其々運んだ。

「!」

 リュウキは一口目で驚愕した。表情が明らかに変わった。それは、食べた事の無い味だったから。そう、言葉で表したら1つしかない。

「……美味い」

 第一声、それはリュウキからだっ
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